不動産投資を成功させるためにはシミュレーションが重要!必要な情報、注意点とは?
(画像=takasu/stock.adobe.com)

不動産投資を成功へと導くためにはシミュレーションをすることが非常に重要である。なぜならば、不動産投資にはローン返済や入居率、ランニングコストといった収益性の見通しなどの緻密な事業計画が必要であり、その事業計画のシミュレーションを行って妥当性を検証する必要があるからだ。

こちらの記事では、不動産投資のシミュレーションをする際に必要な情報や注意点などについて詳しく解説していく。

シミュレーションで必要な情報

不動産投資のシミュレーションでは、以下のような情報が必要になる。

利回り

不動産投資における利回りは、表面利回りと実質利回りの2種類がある。まず表面利回りとは、単純に年間の賃料収入を物件価格で割ったものを指す。

例えば、家賃8万円の物件を2,000万円で購入した場合は、表面利回りは「96万円(8万円/月×12ヵ月)÷2,000万円×100」で4.8%になる。

これには賃貸経営をしていく上で必要な経費を含んでいないため、あくまでも概算の利回りとしか言えない。ちなみに、販売図面など物件の広告に記載されている利回りは、表面利回りであるケースが多くなっている。

つぎに、実質利回りとは、年間の賃料収入から管理費などの経費を差し引いた金額を、物件価格に購入時にかかった諸経費を足した数字で割って計算したものだ。購入時の諸経費とは、登記費用、不動産取得税といった税金、不動産仲介手数料、ローン手数料などのことを指す。

例えば、家賃8万円の物件を2,000万円で購入して、年間の経費が40万円、購入時の諸経費が100万円の場合の計算は以下のようになる。

(96万円-40万円)÷(2000万円+100万円)×100=約2.7%

経費を含んだ計算になるので、表面利回りよりも現実に近い利回りと言える。そのため、実際に物件を購入するときは実質利回りを参考にすることが重要だ。

想定の満室時家賃収入

想定の満室時家賃収入とは、1年間すべての部屋に入居者がいた場合を想定した家賃収入のことである。もちろん満室時の家賃収入がそのまま続くことが理想ではあるが、退去になることも想定した上で、周辺の相場を参考に想定の家賃収入を決めるとよい。

想定入居率

中古物件の場合は購入時までの入居履歴を基準に入居率を想定することができ、一棟アパートの場合の入居率は「入居部屋数÷部屋総数」で算出する。区分マンションの場合、「期間」を加味して入居率を考えると良いだろう。例えば36ヵ月間(3年間)でどれくらい入居していたのかで考えると、計算式は「入居月数÷36ヵ月」で算出する。また、たとえ現状が満室であったとしても、一定の空室が発生することを見込んで想定入居率を設定することが重要となる。

経費

賃貸経営をしていくと建物・設備の修理費や固定資産税・都市計画税、管理会社の委託費用などの諸経費がかかる。よって、シミュレーションをする際に、経費をきちんと計上することが重要だ。ちなみに、シミュレーションで使用するのは、この家賃収入に対する経費の割合である諸経費率になる。一般的に諸経費率は15〜20%程度を想定することが多い。

ただし、築年数が古くなると建物・設備の修繕費が高額になるため、諸経費率の割合を高めにした方が無難と言える。

自己資金

自己資金とは、不動産投資ローンを利用する時に用意する頭金や、物件を購入する時に支払う諸経費などのことをいう。この自己資金を出せるかどうか、いくら出せるかによって、融資額や月々の返済額が変わるため、シミュレーションをする際に必要な項目になる。

借り入れ金額

不動産投資ローンで借り入れする金額のことだ。この金額は前述した自己資金の金額によっても変わってくる。例えば、頭金2,000万円と諸経費を支払い、9,000万円の物件を購入する場合、借り入れ金額は7,000万円になる。借り入れ金額によって月々の返済額が決まる。

借り入れ条件

借り入れ条件とは、借入期間や金利などの融資に対する条件のことである。この条件によって月々の返済額が変わってくるため、慎重に選択することが重要だ。例えば、金利の場合は「固定金利」と「変動金利」があり、「変動金利」の方は「固定金利」よりも利率が低く設定されているケースが多いが、借り入れ後の金利変動のリスクを負うことになる。また、借入期間を長くすることで、毎月の返済額を減らすことができるというメリットに対して、元本の返済がなかなか減らないことがデメリットである。つまり、借り入れ条件は月々の返済額を決める要素であるため、シミュレーションにおいて重要な要素と言える。

不動産投資のシミュレーションをする際の注意点

不動産投資のシミュレーションをするときの注意すべき点は主に以下の4つだ。

・長期的な目線を持つことが重要
・築年数が古くなるにつれさまざまな要素によって収支が悪くなる可能性がある
・周辺の家賃相場を参考にする
・余裕のある返済プランにすることが重要

それぞれについて説明していこう。

長期的な目線を持つことが重要

不動産投資は長期にわたり資産形成していく投資商品であるため、長期的な目線でシミュレーションをすることが重要だ。短期間で不動産を売却して、キャピタルゲインつまり売却益を狙う投資手法でなければ、一般的には10年以上の長期期間を設定することが多い。ただし、10年先のことにもなるので、シミュレーション通りにいくことは基本的にないことを念頭に置くことが重要である。当然不動産を売却する可能性も考慮することが重要だ。

可能であれば最悪のケースや最善のケースなど、複数のパターンでシミュレーションするのが良いだろう。

築年数が古くなるにつれさまざまな要素によって収支が悪くなる可能性がある

前述したように不動産投資のシミュレーションは長期目線を持つことが重要だ。不動産は築年数の経過によって入居率や家賃が下がるリスクが大きくなりやすいのと、建物・設備の修繕費などの経費も今より増える可能性があることを想定しておかなければならない。

周辺の家賃相場を参考にする

不動産は築年数の経過とともに家賃は下落していく傾向がある。よって、今の家賃でシミュレーションするのではなく、家賃の下落リスクを想定しながらシミュレーションする必要がある。その場合は、築年数ごとに周辺エリアで似た条件の物件の家賃を参考にする方法がある。

また、不動産・住宅情報の総合サービスサイトでは、築年数、エリアなどの条件で家賃相場を調べることができるので、これらのデータを参考にすることも1つの方法と言える。

余裕のある返済プランにすることが重要

上記にも書いたように、不動産投資は長期にわたり資産形成していく投資商品であるため、不確定要素が多くシミュレーションは必ずしも想定通りにならない可能性が高い。そのため、不測の事態に備えて、ギリギリの返済プランではなく、余裕のある返済プランにすることが重要だろう。

まとめ

不動産投資のシミュレーションをする際には目の前の条件だけではなく、さまざまな事態を想定して行うことが大切である。また、必ずしもシミュレーション通りにいかない場合があることも事前に認識しておく必要がある。

- コラムに関する注意事項 -

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。
外部執筆者の方に本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。