収益物件のオーナーチェンジとは?メリットとデメリットを解説
(画像=Robert Kneschke/stock.adobe.com)

不動産投資の情報収集を進めていると「オーナーチェンジ物件」という表記を目にすることがあるだろう。オーナーチェンジ物件にはどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。

今回は、どのような物件を購入すべきか検討している人に向けて、収益物件におけるオーナーチェンジとは何か、オーナーチェンジ物件のメリットとデメリット、なぜ売主はオーナーチェンジ物件を売るのかなどについて解説する。

収益物件におけるオーナーチェンジとは?

「オーナーチェンジ物件」とは、賃貸入居者がいる物件のオーナー(所有者)のみが変わる物件を指す。

収益物件には区分マンション、一棟マンション、アパート、ビル、店舗・事務所、一戸建てなどさまざまな種類があるが、売買対象となる物件がどの種類であっても、入居者がいてオーナーが変わる場合はオーナーチェンジ物件と呼ぶ。

収益物件におけるオーナーチェンジのメリット

それでは、オーナーチェンジ物件にはどのようなメリットがあるのだろうか。ここからは、オーナーチェンジ物件の主なメリットを列挙し、それぞれを解説していく。

空室を埋める手間とコストがかかりにくい

オーナーチェンジ物件はすでに入居者がいるので、空室を埋める手間とコストがかかりにくいことがメリットだ。空室リスクは不動産投資の大きなリスクの1つであり、それを当面は心配しなくて済むことは大きなアドバンテージと言えるだろう。

ただし、一棟マンションやアパートのように複数の部屋が存在する場合は、オーナーチェンジ物件といえども空室が存在していることがある。そのときは、空室を埋める手間とコストがかかることには注意が必要だ。

物件を購入してすぐに収入が得られる

上記と関連するが、オーナーチェンジ物件はすでに入居者がいるので、滞納などがなければ物件を購入してすぐに家賃収入を得ることが期待できる。特に区分マンションや一戸建てなどにおけるオーナーチェンジの場合は、このメリットが顕著だ。区分マンションや一戸建てなどの収益物件は、「入居者がいる状態か」「空室の状態か」の2パターンしかなく、空室のまま引き渡しを受けた場合は賃借人が決まるまで家賃収入がない状態が続くからだ。

購入前に収支計算がしやすい

これも上記に関連するが、オーナーチェンジ物件はすでに入居者がいるので、物件を購入してすぐに家賃収入を得ることが期待できることから、購入前に収支計算がしやすい。

前述のとおり、一棟マンションやアパートの場合はオーナーチェンジ物件とは言え、空室が存在しているケースがある。このケースであっても最近入居者が決まった他の部屋の家賃料を参考に収支計算をすることができる。

収益物件におけるオーナーチェンジのデメリット

それでは、オーナーチェンジ物件にはどのようなデメリットがあるのだろうか。ここからは、オーナーチェンジ物件の主なデメリットを列挙し、それぞれを解説していく。

購入前に室内の確認ができない

オーナーチェンジ物件はすでに入居者がいるので、原則として、購入前に室内を確認することは難しい。また、購入後もその入居者が退去しない限りは難しいと言える。

入居者がいると室内の壁やフローリング、設備の劣化具合が確認できたいため、退去した段階で確認したところ想定以上に劣化していて多くの修繕費がかかってしまったというケースもある。

さらに、部屋の間取りは購入前に販売資料などである程度確認できるものの、「実際の間取りは異なる場合があります」などの免責文言がついている場合も多い。購入後に入居者が退去して、いざ初めて室内を確認したら、「想像していた間取りとぜんぜん違う……」となってしまう可能性があることには注意が必要だ。

入居者との条件変更ができない

原則として、前オーナーと現入居者が結んだ賃貸契約は条件変更ができない。「賃料をもっと上げたい」と思っていても、オーナーチェンジしたタイミングでの値上げはできず、次の更新時期を待つ必要がある。

さらに、前オーナーがサブリース契約を締結している場合はさらに注意が必要だ。サブリースとは不動産の一括借り上げ方式のことだ。不動産会社などの事業者が、土地や建物の所有者(大家)から不動産を一括して借り上げて、一定の金額を所有者に支払う。所有者には、満室時の80%〜90%のサブリース料が支払われることが多い。

サブリース契約を解約するときは、一定の解約料がかかる場合もある。サブリース契約自体は悪ではなく、上手に使えば有用な方法だが、前オーナーがサブリース契約を締結している場合は、原則としてその契約を引き継ぐ必要があるので注意が必要だ。

また、何らかの事情により、そのエリアの相場賃料よりもサブリース賃料のほうが高くなっている物件もある。その場合、将来的にサブリースの賃料減額が要請されたり、サブリース会社から一方的に契約を解除されたりする可能性がある。契約が解除された場合、賃貸の募集を新たに行わなければならないが、相場賃料よりも高い賃料での募集は入居者が決まらない可能性がある。その結果、募集家賃を下げざるを得なくなり家賃収入が減少する可能性があるので注意したい。

なぜ売主はオーナーチェンジ物件を売るのか

これから不動産投資を始めようとする人からすると、「なぜ売主は、空室にならない限り定期的に賃料を得ることができるオーナーチェンジ物件を手放すのか」と疑問に感じるかもしれない。

ここからは、売主はオーナーチェンジ物件を売る主な理由について解説する。オーナーチェンジ物件を購入するときは、売主が売る理由をしっかり確認しよう。なかなか本当のことを言ってもらえないケースも想定されるので、少なくとも「売主が売る理由」を推察するようにしたい。

不動産価格が上昇したため

まず、「不動産価格が上昇し、利益確定をするために売却する」という理由が挙げられる。不動産投資の利益には、定期的な賃料(インカムゲイン)のほかに、物件の値上がり益(キャピタルゲイン)もある。購入時よりも不動産価格が上昇し、キャピタルゲインを得るために売却するという売主もいるだろう。

ほかの収益物件に買い換えるため

上記に関連して、「ほかの収益物件に買い換えるため」ということも挙げられる。ほかの収益物件に買い換える理由はさまざまだが、例えば規模拡大を進めたい不動産投資家のなかには、いま保有している物件を売却し、その資金を頭金にローンを組み、より大きな収益物件を購入する人もいるだろう。

まとまった資金が必要になったため

「まとまった資金が必要になったため」ということも挙げられる。例えば、結婚資金を確保する必要がある、マイホームを購入するので頭金が必要になった、ほかのローンや損失を補填するために使う、などが想定される。その資金の必要性(緊急度)が高ければ高いほど、迅速に売却したいということであり、買主側としては指し値が通りやすい(値段交渉がしやすい)ケースと言える。

物件が満室もしくは満室近くになったため

「物件が満室もしくは満室近くになったため」ということも挙げられる。一棟マンションやアパートの場合、空室が埋まっていない状態に比べて、埋まっている状態のほうが高く売却できる傾向がある。

不動産投資家のなかには、空室が多い一棟マンションやアパートを安く購入して、もしくはゼロから建設して、空室を埋める努力を行い、物件が満室もしくは満室近くになったら高値で売却して利益を狙うスタイルの人もいる。

売主にとって不都合なことがあるため

「売主にとって不都合なことがあるため」ということも挙げられる。例えば、大規模修繕の時期が近い、入居者の退去時期が近い、入居者とトラブルが起きた、周辺環境が変化したなどが挙げられる。買主側としては、事前に察知しておきたい理由と言える。

売る理由もよく確認しながら検討していこう

ここまで、どのような物件を購入すべきか検討している人に向けて、収益物件におけるオーナーチェンジとは何か、オーナーチェンジ物件のメリットとデメリット、なぜ売主はオーナーチェンジ物件を売るのかなどについて解説してきた。

オーナーチェンジ物件は、デメリットがあるものの、物件を購入してすぐに収入が得られるため、空室を埋める手間とコストがかかりにくく、購入前に収支計算が立てやすい物件だ。売主がオーナーチェンジ物件を売る理由もよく確認しながら、オーナーチェンジ物件の購入も検討していこう。

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