2024年の新NISAは現行NISAと何が違う?事前に確認を
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2024年から新NISAがスタートする。これまでのNISAと何が変わるのだろうか?この記事では、新NISAの仕組みを紹介し、どのように活用すべきかを解説する。現行のNISAを活用している人も、まだ活用していない人も、投資に関心があるならぜひ参考にしてほしい。

現行のNISA制度の仕組みをおさらい

NISA制度には、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3つがある。それぞれの特徴を整理すると次の通りだ。

一般NISAつみたてNISAジュニアNISA
非課税投資枠毎年120万円毎年40万円毎年80万円
非課税投資期間最長5年間最長20年間最長5年間
投資対象商品株式・投資信託等一定の投資信託等株式・投資信託等
対象年齢20歳以上20歳以上0~19歳
投資可能期間2014年~2023年2018年~2037年2016年~2023年

一般NISAとつみたてNISAは、どちらかを選択する必要がある。

非課税投資枠と非課税投資期間を掛け合わせると、一般NISAで最大600万円、つみたてNISAで最大800万円、ジュニアNISAで最大400万円を非課税で運用できるということになる。

つみたてNISAの投資対象は、国が「長期の積立・分散投資に適している」と認めた一定の商品(投資信託)に限られる。それに対して、一般NISAでは株式をはじめさまざまな投資商品に投資できるという違いがあった。国の狙いとしては、投資初心者にはつみたてNISAを、投資経験者には一般NISAを、と考えていたことだろう。

ジュニアNISAでは、運用を行うのは本人の二親等以内の親族(両親や祖父母)となる。また、18歳までの「払い出し制限」があることが特徴だ。災害等のやむを得ない事態でしか引き出しができないため、教育費の負担が重い子育て世帯にとっては使い勝手が悪く、利用実績が乏しいことが問題視されてきた。

一方で、一般NISAにもデメリットがある。まず、1人につき1つのNISA口座しか持てない。また、新規投資が対象となるため、現在保有している株式や投資信託をNISA口座へ移管することはできない。さらに、一般口座や特定口座との損益通算、翌年以降への損失繰り越しもできない。最後に、非課税期間内に値崩れした保有資産を一般口座や特定口座に移した後に値上がりしたケースでは、当初の購入価格と売却価格からみると損失が出ている状況にもかかわらず課税対象となる点は覚えておきたい。

改善か改悪か――新NISAで何が変わる?

つみたてNISAに大きな変更点はなく、現行の制度が2042年まで延長されることが決まった。また、利用実績の乏しいジュニアNISAは、2023年までで廃止されることが決まった。

大きく変わったのは、一般NISAだ。2024年以降の新NISAは、2階建てで運用される。

非課税投資枠投資対象商品
2階部分毎年102万円上場株式・投資信託等
1階部分毎年20万円一定の投資信託等

1階部分の投資対象商品は、つみたてNISAと同じく、積立・分散投資に適していると国が認めた投資信託だ。新NISAでは、1階部分の投資を行わなければ、2階部分の非課税枠を利用することができない。国としては、「より多くの国民に積立・分散投資を経験してもらうこと」を制度変更の意図としている。

ただし、NISA口座をこれまで開設していた人や投資経験者に限っては、1階部分の運用をせずとも2階部分でのみ投資を行うことが可能だ。

また、2階部分についても、高レバレッジ投資信託などの安定的な資産形成に不向きな一部の商品は除かれることが決まっている。

投資初心者が一般NISAを選択し、ハイリスクな商品でいきなり損をしてしまうといった事態を避ける狙いがあるのかもしれない。

なお、1階部分については、5年経過後につみたてNISAへの移行が可能だ。

新しいNISA制度をどう活用する?

今回の改正で、新NISAの非課税投資枠の合計は1階部分+2階部分で年間122万円となり、現行の120万円より微増した。5年間で10万円非課税投資枠が増加したという点は、利用する側にとってメリットといえるだろう。

2階建ての新NISAについて、「複雑になった」「わかりにくくなった」といった批判の声もある。しかし、1階部分の20万円という非課税投資枠をすべて埋める必要はなく、少しでも商品を購入すれば2階部分も利用できる。国が推奨する通り、この機に積立投資をスタートしてみるのも1つの方法だろう。

また、廃止が決まったことでジュニアNISAにも注目が集まっている。理由は、制度終了にともない「払い出し制限」がなくなるからだ。つまり、今からジュニアNISAをスタートすれば、制度が終わる2024年以降は、投資で増やした資金を自由に引き出せるようになる。

子育て世帯は、このタイミングでジュニアNISAの活用をスタートすることを検討したい。

制度変更の情報を確認し、上手に活用しよう

投資でリターンが得られるかどうかは市況に左右される。しかし、国が用意した制度を活用すれば、スマートな投資活動が行える。

投資で得られた利益にかかる税金は、約20%。数百万円分の元手によって得られたリターンに税金がかからないというNISA制度は、着実に資産形成したい人にとって大きなメリットをもたらす。

制度変更の情報をいち早く確認し、自分や家族がどのように利用できるかを考え、賢く活用していきたい。

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