米国株と日本株の違いとは?実は日本株よりも少額投資可能?
(画像=and4me/stock.adobe.com)

米国株に対して、「日本株より難しそう」と考えている方もいるかもしれない。しかし、米国株は場合によっては日本株よりもハードルが低く、利益を出しやすいこともある。日本株への投資と何がどう違うのか、ポイントを6つご紹介しよう。

米国株と日本株の違い1:1株単位で購入できる

日本株は100株単位での取引が基本になっているが、米国株では1株単位が基本だ。日本株のように、100株まとめて購入するために数十万円、数百万円の資金を用意する必要も、わざわざ「単元未満株(100株に満たない株式)」を扱える証券会社を探す必要もない。

たとえば、誰もが知っている「コカ・コーラ」の株式は1万円未満でも購入可能だ(2021年3月10日現在)。「ウォルト・ディズニー」やiPhoneなどを手掛ける「アップル」など、世界的に有名な大企業の株式も、数万円で購入できる。

株価が高く、1株でも数十万円の資金がないと投資できない米国株もなかには存在するが、全体としては多額の資金がなくても取り組みやすい傾向がある。

米国株と日本株の違い2:1日の値幅制限がない

「ストップ高」や「ストップ安」という言葉を聞いたこともあるだろう。日本株では、極端に大きな値動きがあった場合に、それ以上変動しないよう証券取引所がストップをかけることがある。

上限まで上がりきって取引できなくなった状態が「ストップ高」、逆に下限まで下がりきったのが「ストップ安」だ。あまりに激しい値動きから、投資家を保護するためのしくみである。

米国株の市場にはこの制度が存在しない。買いたい人がいれば際限なく株価は上昇するし、その逆も然りだ。

米国株と日本株の違い3:取引時間

株式取引できる時間も日本株とは異なる。日本株の場合、リアルタイムで取引できるのは平日の9:00~11:30、昼休みをはさんで12:30~15:00になっている(東京証券取引所)。

米国株の取引時間は、現地(米国東部)時間の平日9:30~16:00だ。昼休みはなく、時間内であれば常に取引ができる。

もちろん時差があるため、日本時間でいうと「23:30~翌6:00(サマータイム中は22:30~翌5:00)」
になる。(※サマータイム……3月第2日曜日から11月第1日曜日)

日米ともに市場が開いているのは平日だが、日本とアメリカでは制定されている祝日が違うため、どちらか一方だけ休みということもある。ちなみに、リアルタイムの時間内でなくても発注は可能だ。

米国株と日本株の違い4:高配当利回り銘柄が多い

「配当」はその株式を保有していることで受け取れるお金のことである。「配当利回り」が高い銘柄ほど株価に対して受け取れる配当の金額が大きい。その時の相場にもよるが、米国株は日本株よりも配当利回りが高い傾向にある。

日経平均採用銘柄の平均配当利回りは1.68%(前期基準:2021年5月11日時点)
だが、NYダウを構成する30銘柄のうち18社の直近配当利回りがそれを上回っている。

<NYダウを構成する30銘柄(直近配当利回り)>

アップルアムジェンアメリカン・エキスプレスボーイングキャタピラーセールスフォース・ドットコムシスコシステムズシェブロンウォルト・ディズニーダウ・デュポン
0.69%2.79%1.08%-1.70%-2.78%4.89%-4.07%
ゴールドマン・サックス・グループホーム・デポハネウェル・インターナショナルIBMインテルジョンソン&ジョンソンJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーコカ・コーラマクドナルド3M
1.36%1.93%1.61%4.49%2.48%2.49%2.23%3.06%2.18%2.86%
メルクマイクロソフトナイキプロクター・アンド・ギャンブルトラベラーズユナイテッドヘルス・グループビザベライゾン・コミュニケーションズウォルグリーン・ブーツ・アライアンスウォルマート
3.33%0.91%0.81%2.53%2.18%1.19%0.57%4.22%3.39%1.56%

※数字はすべて2021年5月11日時点
出典:ブルームバーグより(株)ZUU作成

<高配当株の例(直近配当利回り)> 

エクソン・モービルIBMファイザープルデンシャル・ファイナンシャルマクドナルド
5.56%4.49%3.91%4.31%2.18%

※数字はすべて2021年5月11日時点
出典:ブルームバーグより(株)ZUU作成

アメリカでは従来から、「企業は経営者や従業員のものではなく株主のもの」といった風潮があり、株主への利益還元を重視する企業が多い。また、日本では人気の「株主優待」はほとんどなく、代わりに配当として現金で還元する姿勢を取っている企業も多く存在する。

米国株と日本株の違い5:年4回の配当企業が多い

米国株の配当は、日本株より受け取れる回数が多い傾向がある。日本株の場合、配当が出されるのは半期ごとの年2回という企業が多いが、米国株では四半期ごとの年4回が多い。

配当が払われる時期は銘柄によって異なるため、年4回×2社の銘柄を保有することで年8回の配当金受取りを実現することも可能だ。

米国株と日本株の違い6:50年以上など連続増配企業がある

業績が好調な企業や株主への利益還元を重視する企業では、「増配(配当を増やす)」が行われることがある。米国市場ではなんと50年以上連続で増配し続けている企業も存在する。

<連続増配株の例>

  • プロクター・アンド・ギャンブル   65年連続
  • スリーエム             60年連続
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン   57年連続
  • コカ・コーラ            57年連続
    出典:S&P、Mergent Dividend Achievers、ブルームバーグより(株)ZUU作成

米国株の魅力としてよく挙げられるのがその「成長度合い」だ。しかし、株価の上昇を期待したキャピタルゲイン(値上がり益)狙いの投資だけでなく、実はインカムゲイン(配当)狙いの投資にも使いやすい特徴がある。

米国株も投資の選択肢の1つに

米国株は、多額の資金がなくても英語が堪能でなくても投資可能だ。日本株や投資信託と同じように、NISA(投資の税制優遇制度)の対象にもなる。世界的に有名な大企業や成長著しい企業も多数あり、投資しがいのある市場といえるだろう。

今後の投資方針について考えるとき、選択肢の1つとして加えてみてはいかがだろうか。

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