ワンルームマンション投資で陥りがちな失敗パターンとは?初心者向けの対策も
(画像=naka/stock.adobe.com)

不動産投資を初めてする人は、ワンルームマンションを選択するケースも多いだろう。 ワンルームマンション投資は、アパートなどの一棟物件に比べて手頃な価格帯のものが多く、比較的少ない自己資金で始められるのが魅力だが、知識がないために失敗するケースもある。ここでは、初心者が陥りがちな失敗パターンと対策について解説する。

ワンルームマンション投資で失敗する根本的な原因とは?

ワンルームマンション投資で失敗してしまう根本的な理由は、メリットだけを見てデメリットに目を向けていないことにある。例えば、ワンルームマンション投資の代表的なメリットは以下の内容だ。

【メリット】

  • 節税効果:所得税や相続税を圧縮する効果がある
  • 保険代替効果:ローン契約者に万が一のことがあった際、ローン残債が0円になる
  • 資産形成:老後の老齢年金を補う収入源になる
  • インフレ対策:実物資産のため、比較的インフレに強い

【デメリット】

  • 新築や築年数の浅い物件の場合、家賃よりもローン返済の方が多くなりマイナス収支になりやすい
  • 空室になった場合は家賃収入が0になる
  • 価格相場が分かりづらい

ワンルームマンション投資で初心者が陥りがちな失敗パターンと対策(5例)

不動産投資を検討中の人は、ワンルームマンション投資で初心者が陥りがちな失敗パターンと、それを回避するための対策も押さえておきたい。

ワンルームマンション投資で初心者が陥りがちな失敗パターンと対策
(画像=ワンルームマンション投資で初心者が陥りがちな失敗パターンと対策)

悪徳業者の勧誘を断れなかった

消費者のトラブルの相談先である(独)国民生活センターには、毎年1,000件超〜2,000件超の投資用マンションに関する相談が寄せられている。相談事例から見られる問題点の1つとして同センターが挙げるのは「強引な勧誘や説明不足がみられる」というものだ。

こういったスタンスで営業をするのは、悪徳業者にほかならない。気が弱かったり、不動産投資の知識がなかったりするために、悪徳業者の勧誘を断れないというのはワンルームマンションを含む不動産投資の失敗の典型パターンといえるだろう。

参考:(独)国民生活センター「20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!」より※この先は外部サイトに遷移します。

【失敗しないための対策】

  • 口コミ評価の高い業者を選ぶ
  • 業界団体、国民生活センター、弁護士などに相談する
  • クーリングオフを利用する(適用外の条件あり)

相場より割高な価格で物件を購入してしまった

価格相場が分かりにくいこともあり、割高な価格の物件を購入してしまうケースもあるだろう。割高な価格で物件を購入してしまうことで当然ながら利回りが低下し、手残りも少なくなってしまう(収支がマイナスの場合は、負担が増える)。また、売却損リスクも大きくなりやすい。

【失敗しないための対策】

  • 類似物件の相場をリサーチする

価格だけを見て購入してしまった

ワンルーム投資の物件のなかには、手頃な価格のものも散見される。例えば、入居者ニーズがあまりない、地方の築古ワンルームマンションであれば、1,000万円以下で購入できる物件も見られる。こういった投資用ワンルームマンションを価格の安さだけで購入してしまい、長期空室や修繕積立金の追加支払いなどが発生し、失敗するケースもある。

【失敗しないための対策】

  • 入居者ニーズのあるエリアを選択する
  • 購入する物件のエリア特性を理解する

収支シミュレーションを鵜呑みにしてしまった

ワンルームマンション投資を含む不動産投資では、物件検討中に不動産業者から収支シミュレーションを提示されることも多い。 通常、賃貸物件では築年数が増えるごとに賃料が下落する。また、入退去サイクルで空室が発生する。こういった賃料下落や空室発生を収支シミュレーションに加味しないため、現実との乖離が大きくなるパターンも多い。こういった内容が収支シミュレーションに加味されているか、チェックすることが重要だ。

【失敗しないための対策】

  • 不動産投資のリスクを理解する
  • 収支シミュレーションにリスクが反映されているかチェックする

住宅設備の入れ替えをしなかった

ワンルームマンション投資を始めた当初は稼働率が高かったのに、適正なタイミングで住宅設備の入れ替えをしなかったために、長期空室が発生する失敗パターンもある。住宅設備の例としてはエアコンや給湯器などがある。こういった住宅設備が古くなると、内見時のイメージが悪くなり、入居者がなかなか決まらないこともある。

【失敗しないための対策】

  • メーカーが設定する交換時期の目安を参考にしながら交換する
  • 設備交換のための費用をストックしておく

新築・中古どちらを選ぶ?ワンルームマンション投資の注意点

同じワンルームマンション投資でも、新築物件・中古物件では特性が変わってくる部分もある。ポイントは、中古・新築のどちらが優れているかではなく、「自身が重視することに合うのはどちらか」を考えることだ。その検討材料となる、それぞれのメリット・デメリットは以下のようになる。

メリット デメリット
新築 入居者が決まりやすい
家賃を高めに設定しやすい
設備交換の必要がしばらくない
物件価格が割高になる
低利回りの傾向がある
中古 新築よりも物件価格が安い
物件の選択肢が多い
築年数が古いと空室リスクが高い
修繕費用がかかる

ワンルームマンション投資の基礎知識を学んで失敗回避を

本稿では、ワンルームマンション投資で失敗しないための考え方や対策をメインに解説をしてきた。もっとも重要なポイントは、冒頭で述べたように、節税や保険代替効果などのメリットだけを見て「得だから購入しよう」と安易に考えてしまわないことだ。

ワンルームマンション投資によってメリットを得られるかもしれないが、デメリットもある。またご自身の目標や人生設計に合っているかの判断も必要である。不動産投資の知識のない人は、ワンルームマンション投資の契約を急ぐのではなく、まず基礎知識をしっかり学び慎重に検討することを優先するのがよいだろう。

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