【不動産投資】団体信用生命保険の仕組み、メリットやデメリットとは
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  1. 不動産投資における団体信用生命保険(団信)とは?
  2. 団信の4つの種類
    1. 一般団体信用生命保険(一般団信)
    2. 団体信用介護保障保険(介護団信)
    3. 生活習慣病団体信用生命保険
    4. ワイド団体信用生命保険
  3. 団信加入のメリット
    1. 万が一の事態のときにローンの返済がなくなる
    2. 残された家族にとって収入の補填になる
  4. 団信のデメリット
    1. 加入する団信によってはローンの金利が高くなるケースがある
    2. 途中解約できないケースがある
    3. ローンの残債がなくなり相続税が増えるケースがある
  5. 団体信用生命保険を断られるケース
    1. 加入するときの年齢が高いケース
    2. 持病があるケース
  6. 団体信用生命保険の審査に落ちてしまった場合
  7. まとめ

不動産投資ローンを組むにあたって「不動産投資をする際に団体信用生命保険(以下、団信という)に加入したほうがいい?」あるいは「団信に加入するメリット・デメリットが知りたい」というように、団体信用生命保険に加入すべきかで悩んでいる方は少なくない。

そこで本記事では、団信の種類、デメリットや注意点ついて解説していくので、団信の加入で迷われている方は、ぜひこの記事を参考にしてほしい。

不動産投資における団体信用生命保険(団信)とは?

団体信用生命保険(団信)とは、被保険者が事故や病気などで亡くなった場合や高度障害を負った場合に、保険会社が金融機関に対してローンの残債相当の保険金を支払ってくれる生命保険のことだ。

結論から言うと、団信には加入するのが無難であろう。なぜならば、団信は自身が死亡した場合や重度の障害になった場合に、保険会社から金融機関にローンの残債相当の保険金が支払われ、ローンの残高が0円になることから、ローン返済中に万が一のことがあった場合のリスク回避になるからだ。

ただし、不動産投資ローンで団信を利用する場合には、金利が高くなるデメリットや加入時の注意点がいくつかあることから団信について事前によく理解をしておくことが重要になる。

不動産投資において団体信用生命保険が生命保険代わりになるのかについては以下のコラムで詳しく解説している。


【関連記事】不動産投資は生命保険の代わりにならない?団体信用生命保険について解説

団信の4つの種類

団信には大きく以下の4つの種類がある。

  • 一般団体信用生命保険(一般団信)
  • 団体信用介護保障保険(介護団信)
  • 生活習慣病団信
  • ワイド団信

それぞれについて詳しく説明していこう。

一般団体信用生命保険(一般団信)

通常の団信とは、特約なしの団信のことで被保険者が亡くなるか重度障害の状態になったときに、保険会社より保険金が支払われるものだ。

重度障害とは、例えば「両眼の視力を永久に失ったもの」や「言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの」などのことだが、保険会社によって要件や定義が異なるので確認するようにしたい。

団体信用介護保障保険(介護団信)

団体信用介護保障保険とは、先の死亡や高度障害の保障に加え、保険期間中に不慮の事故や病気などの不測の事態によって保険会社所定の要介護状態になった場合に、ローンの残債相当の保険金が支払われる保険のことだ。

保険会社所定の要介護状態とは「公的介護保険制度の要介護3以上」や「歩行、衣服の着脱、入浴、食物の摂取、排泄の5項目のうち1項目が全部介助、かつ他の1項目が全部介助または一部介助の状態に該当したとき」などが挙げられるが、これも保険会社によって要件や定義が異なることから確認をするようにしたい。

生活習慣病団体信用生命保険

生活習慣病団信とは、加入した人が死亡したり高度障害の状態になったりしただけでなく、高血圧・糖尿病、急性心筋梗塞・脳卒中などの生活習慣病、がん、慢性腎不全、慢性膵炎などの疾病を患った場合もカバーされる保険だ。

ただし、保障される疾病や支払い基準(診断確定時点で支払いなのか入院〇〇日以上で支払いなのかなど)について条件は保険会社によって異なる点は注意だ。

ワイド団体信用生命保険

健康上の理由により、通常の団信などに加入できない人向けの団信のことである。

例えば、通常の団信の審査で落ちる可能性が高い「高血圧症」や「糖尿病」といった持病があっても加入できるケースがある。

ただし、こういった持病がある人向けの保険であっても審査に落ちる可能性はあり、一般団信と比較して金利が高く設定されていることが多いので注意が必要になる。

団信加入のメリット

団信のメリットには、主に以下の2つがある。

  • 万が一の事態のときにローンの返済がなくなる
  • 残された家族にとって収入の補填になる

それぞれについて説明していくので、内容を確認してほしい。

万が一の事態のときにローンの返済がなくなる

団信の最大のメリットは自身に万が一の事態があったときに、残された家族がローンの返済に苦労するような事態を防ぎ、不動産という形で財産を遺すことができる点だ。

ただし、不動産は不可分で現金化しにくいという性質があるので、遺産が不動産のみだと相続人が複数人いるような場合には遺産をめぐってトラブルになりかねない。このことを防ぐために現金を用意しておいたり、生命保険に加入したり別途手当をしておくことが必要だろう。

残された家族にとって収入の補填になる

団信に加入していた場合、自身に万が一の事態があったときにローンは完済される。無残債となった収益不動産がもたらす毎月の家賃収入は残された家族の家計にとって助けになるだろう。 ただし、これは収益不動産を相続した家族が相続後も空室を埋めたり、修繕をしたりなど経営を維持していくことが前提だ。相続後の手続きや管理会社の連絡先などをまとめたマニュアルを作成しておくなど、残された家族が困ることのないよう準備しておくとよいだろう。

団信のデメリット

団信のデメリットは主に以下の3つだ。

  • 加入する団信によってはローンの金利が高くなるケースがある
  • 途中解約できないケースがある
  • ローンの残債がなくなり相続税が増えるケースがある

それぞれについて説明していこう。

加入する団信によってはローンの金利が高くなるケースがある

不動産投資のローンで団信を利用する場合の保険料は、団信に加入しない場合のローン金利に上乗せされるケース、表示ローン金利に保険料が含まれているケースがあるため、契約内容をよく確認しておきたい。また、介護保障や生活習慣病保障の付いた団信に加入する場合は一般団信加入に比べ金利が高く設定されるケースが多い。

途中解約できないケースがある

団信には借り換えや一括返済する場合を除いて途中解約できないものが多い。また、銀行系金融機関のローンでは団信への加入が必須になっているところが多い。

さらに、団信加入後に他の種類の団信へ切り替えをすることも、原則としてできないケースがほとんどだ。

ローンの残債がなくなり相続税が増えるケースがある

団信は被保険者が死亡した場合、不動産投資ローンの残債相当の金額を保険会社が債権者である銀行に支払うものだ。 相続時に借り入れがある場合には、相続税を計算する際、遺産から借り入れ分が控除された金額に税率がかかることから、不動産購入時に現金が潤沢にあり、ローンを必要としない場合でも相続税対策の一環であえてローンを利用するケースがある。しかし、ローン利用時に団信に加入してしまうと相続時にはローン残高0円となることから遺産から借り入れ分を控除することができなくなることから支払う相続税が増えることになる。

団体信用生命保険を断られるケース

団信の審査に落ちて加入を断られるケースもある。大きく以下のような場合が挙げられる。

  • 加入するときの年齢が高いケース
  • 持病があるケース

それぞれについて説明していこう。

加入するときの年齢が高いケース

被保険者が高齢のために加入を断られるケースがある。団信はあらかじめ加入年齢が設定されている。特に疾病保障付きの団信などは加入時の年齢が低く設定されているものが多いので、注意が必要になる。

持病があるケース

団信も通常の保険と同じように契約前に告知書を提出する必要がある。この告知書の内容を加味して、保険会社が加入の可否を判断するためだ。

告知が必要な病気は主に8大疾病やうつ病などの精神疾患などがある場合やこれらの病気で治療を受けた過去がある場合は、審査が通らない可能性がある。

団体信用生命保険の審査に落ちてしまった場合

金融機関によってはローン商品の要件に団信加入が含まれるケースがある。

持病などの理由によって団信に加入することができない場合、それがローンを利用できないことに直結することもある。だからと言って、虚偽の告知は絶対にしてはならない。持病があるなどにもかかわらず虚偽の告知をして、仮に団信の審査に通ったとしても、いざというときに保険金が支払われず、痛い目に合う可能性が高いからだ。

不動産投資において団体信用生命保険が生命保険代わりになるのかについては以下のコラムで詳しく解説している。

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まとめ

この記事では団信の種類やメリット、デメリット、注意点について解説してきた。

保障の範囲を広げることは要介護状態や疾病を患った際の安心につながるが、その反面コストは増えることとなる。コストは収益不動産の経営にあたって収支に直結する部分であることから、どの団信に加入するかは慎重に判断してほしい。

鈴木 まゆ子
税務に関する記述の監修

鈴木 まゆ子
税理士・税務ライター

中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。
「ZUU Online」「KaikeiZine」「朝日新聞『相続会議』」「マネーの達人」「納税通信」などWEBや紙面で税務・会計に関する記事を多数執筆。
著書「海外資産の税金のキホン(税務経理協会、共著)」。
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