不動産投資ローンの審査は厳しい?審査落ちの原因や通過するポイントを解説

不動産投資といえば高年収の方の資産形成というイメージがあるため、不動産投資ローンの審査に落ちてしまうのではないかと不安になっている方も多いと思います。

そこで本コラムでは、不動産投資ローンの審査項目や審査落ちのよくある原因について解説します。不動産投資ローンの審査に通過するポイントも紹介しますので、不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

そもそも不動産投資ローンとは

不動産投資ローンの審査は厳しい?審査落ちの原因や通過するポイントを解説
(画像:PIXTA)

不動産投資ローンとは、家賃収入を得る目的の投資用物件を購入するためのローンです。不動産投資ローンを利用すれば現金のみで購入できない物件もローンを組み購入することができます。以下の記事で投資家が不動産投資ローンを利用する理由などを詳しく解説しています。

【関連記事】不動産投資ローンとは|組む理由と注意点、融資で重視される項目を解説

なお、不動産購入のローンとして「住宅ローン」がありますがあくまでも自己居住用の融資商品で、不動産投資ローンとは審査基準等が異なり、原則として投資用物件で利用することはできません。以下の記事で不動産投資ローンと住宅ローンの違いを詳しく解説しています。

【関連記事】不動産投資ローンと住宅ローンの違い7選!

不動産投資ローンの審査項目とは

不動産投資ローンの審査は厳しい?審査落ちの原因や通過するポイントを解説
(画像:PIXTA)

不動産投資ローンは一般的に住宅ローンと比べて融資審査が厳しいです。その理由は、自分が住む目的ではなく事業として大金を貸し出す目的で判断するからです。

主な審査項目は以下のとおりです。投資用物件の担保価値や、契約者の個人に関する属性などが総合的に審査されます。

物件の属性に関する項目・購入する物件の収益性と資産価値
・法定耐用年数の残存期間
個人の属性に関する項目・借入時や完済時の年齢
・自宅がある地域
・現在の勤務先における勤続年数
・直近数年の年収額
・資産内容
・他ローンの借入額と返済遅延の履歴

物件の属性に関する項目

購入する物件の収益性や融資を受ける人の賃貸経営に対する知識や経験など、事業として上手くいくかどうかを審査します。物件の審査項目としては主に「空室リスク」と「利回り」から評価されます。

人気のエリアや駅近など立地がよい場合や築年数が新しい場合など、賃貸需要が見込め空室リスクが少ないと判断できる物件は、その収益性から審査に有利となりやすいです。また、好立地で根強い賃貸需要が見込める物件は、家賃が下がりにくく利回りが安定すると評価されます。

個人の属性に関する項目

個人の属性とは金融機関が融資を決める際に「貸したお金を問題なく返済してくれるかどうか」を判断するための指標です。上記のような項目から判断され、不動産投資ローンの審査に影響を与えます。

不動産投資ローンの審査落ちのよくある原因6選

不動産投資ローンの審査で落とされてしまうよくある原因を解説します。審査に落とされる理由は、前述の審査項目の物件の属性と個人の属性に原因があります。

審査に通らないパターン通らない理由
融資対象の物件と金融機関との相性が悪い ・物件が法定耐用年数を超えている
・物件の担保価値が低い
個人の属性と金融機関との相性が悪い ・年収や自己資金が少ない
・勤続年数が短く雇用が不安定
・融資時点での年齢が高い
・他のローンや負債が多い

物件が法定耐用年数を超えている

不動産には建物の構造ごとに法定耐用年数が定められており、法定耐用年数が過ぎると担保価値がなくなってしまいます。金融機関によっては物件の耐用年数内までしか融資しないことが一般的です。そのため、不動産投資ローンを申し込む際には物件の構造とその耐用年数、築年数に注意しましょう。

物件の担保価値が低い

物件の担保価値が低いと評価されると審査が通らないことがあります。

金融機関は債務者が不動産投資ローンの返済が出来なくなった場合に備えて不動産に抵当権を設定します。万が一返済が出来なくなった場合には金融機関が不動産を差し押さえ不動産の売却代金から債権を回収します。そのために築年数やその土地の価格、立地などを評価してその物件が売却可能な担保価値があるかを判断し、評価が低いと審査落ちをすることがあります。

年収や自己資金が少ない

年収が少ない場合や自己資金が少ない場合は、融資条件が厳しくなる傾向があります。空室が出た場合や収益が想定通りでない場合には家賃収入以外で補填する必要があり、金融機関は物件の属性だけでなく個人の属性も重視します。

一般的に不動産投資ローンを組むために必要な年収は700万円といわれておりますが、年収が700万円に満たない場合でも他の条件を満たせば不動産投資ローンを組むことは可能です。以下の記事で不動産投資ローンを組むのに必要な年収や年収別に購入可能な不動産を紹介しています。

【関連記事】不動産投資ローンに必要な年収を解説!融資が受けやすくなる対策も

勤続年数が短く雇用が不安定

前述のように何かあった場合には家賃収入以外で補填する必要があるため、勤続年数も審査基準の一つとなっています。一般的に現在の職場での勤務が少なくとも2〜3年は必要だとされています。そのため、就職や転職をしたばかりのタイミングは収入が不安定だとみなされる傾向にありますが、金融機関によってはステップアップが明らかな場合などは勤続年数が短くても融資するケースも珍しくはありません。

また、派遣社員や契約社員など正社員以外の雇用形態や正社員であっても歩合給の割合が高い仕事の場合には不安定であるとみなされる場合があります。

融資時点での年齢が高い

融資時点で年齢が高い場合には定年退職によって収入が減る可能性が高くなるために審査落ちする場合があります。定年時に多くの残債を残したまま給与収入が激減もしくは0になってしまうことになるため、金融機関は定年退職後の返済能力についても審査においては見ています。

他のローンや負債が多い

他のローン返済に滞納や延滞がある場合や負債が多い場合、年収が高くても審査に通らない恐れがあります。ローンや負債が多くなると滞納の確率が高いと見なされるためです。一般的に最大融資限度額は年収の7~10倍程度とされており、他のローンも合わせた負債が限度額を超える場合は滞納がなくても審査が厳しくなることがあります。

不動産投資ローンの審査に通過する4つのポイント

不動産投資ローンの審査は厳しい?審査落ちの原因や通過するポイントを解説
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前述で審査落ちしてしまうケースについて説明しましたが、不動産投資ローンの審査に落ちないためのポイントを紹介します。

  • 投資物件を見直す
  • 自己資金や頭金を多く準備する
  • 他に利用しているローンを見直す
  • 別の金融機関へ相談する

投資物件を見直す

不動産投資ローンの申し込みをした際に物件を理由として金融機関から難色を示された場合は、築年数やエリアの見直しなどをしましょう。築浅の物件や駅近・都心部の物件など担保価値の高い物件に変えることで審査が通ることがあります。

なお、どうしてもその物件を購入したい場合は収支計画や経営戦略をしっかりと準備することで金融機関を説得することもできる場合があります。

自己資金や頭金を多く準備する

自己資金を準備して頭金を多く入れることで不動産投資ローンの審査に通過しやすくなります。頭金を用意することで不動産投資用ローンの返済額を小さくすることができ、金融機関側の貸し倒れリスクが減るためです。また、持っている自己資金が多いほど計画的にお金を管理する能力があると見なされ、借入額が大きくても融資を受けられる可能性も高くなります。

以下の記事で頭金の相場はいくらか、頭金を入れるメリットやデメリットについて解説しています。

【関連記事】不動産投資ローンの頭金は必要?相場や頭金なしのケースを解説!】

他に利用しているローンを見直す

ローンの借り換えで金利を抑えたり、繰り上げ返済をして負債を減らしたりすることで個人の属性に関しての不安を改善することが可能です。全額を返済する必要はなく一部でも良いので他のローンの返済条件を改善することで返済能力があることをアピールしましょう。

別の金融機関へ相談する

不動産投資ローンの審査は、金融機関によって審査内容や基準が異なります。そのため、A銀行で審査に落ちてしまってもB銀行で審査に通ることがあります。また、購入予定の物件のエリアを事業拠点とする地方銀行など、その土地での事業活動を積極的にサポートする金融機関を選ぶことで審査に通りやすくなることもあります。

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