アパート経営の修繕費はどのくらいかかる?コストを削減する方法とは
(画像=SkyLine/stock.adobe.com)

高所得者や資産家を中心に、資金を効率的かつ安定的に運用できる方法の1つとして期待できるのが「アパート経営」だ。アパート経営を考えている人の中には、アパートの修繕について気になっている人も多いだろう。この記事では、そのような人に向けて、アパートの修繕にはどのような種類があるのか、各項目の修繕費や実施頻度の目安、1戸あたりの修繕費のイメージ、修繕費を抑える方法などについて解説する。

「アパートの修繕費はどれくらいかかるのだろうか」
「アパートの修繕にはどんな種類があるのだろうか」
「アパートの修繕費を削減するにはどのような方法があるのだろうか」

アパート経営の修繕費には何がある?

アパートをはじめとする収益不動産は、賃料や資産価値を落とさないためにも、定期的な修繕が欠かせない。地震などの災害によって、突発的な修理が必要になる可能性もゼロではない。

アパート経営においては、どのような修繕費があり、それぞれいくらくらいかかるのか、どれくらいの頻度で発生するのかを把握しておき、計画的に準備することが重要だ。ここからは、アパートの修繕にはどのような種類があるのか、各項目の修繕費や実施頻度の目安を解説する。

室内装備

これからアパート経営を始める人にとって修繕費と言うと、一番イメージしやすいのが室内設備かもしれない。室内設備と一言で言ってもいろいろな設備がある。国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック 事例編」によると、主な設備の長期スパンでの修繕計画のイメージは以下の通りだ。

<想定される長期修繕計画>

修繕周期 1〜10年目 11〜15年目 16〜20年目 21〜25年目 26〜30年目 31〜35年目 36〜40年目
(目安)
給湯・風呂釜 10年 50万円 2万円 48万円 2万円 48万円 2万円 0円
エアコン 10年 44万円 2万円 42万円 2万円 42万円 2万円 0円
浴室設備 15年 1万円 24万円 0円 1万円 24万円 0円 1万円
厨房設備 15年 5万円 90万円 0円 5万円 90万円 0円 5万円
洗面化粧台 15年 2万円 42万円 0円 2万円 42万円 0円 2万円
トイレ 15年 3万円 60万円 0円 3万円 60万円 0円 3万円
日常修繕 毎年 34万円 17万円 17万円 17万円 17万円 17万円 17万円

出典:国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック 事例編」をもとに(株)ZUU作成

上記は目安として参考程度に捉えていただきたい。実際には使用状況などにより修理・交換のタイミングや金額は変わるため、詳細は各メーカーに確認して周期や金額を把握しておくのが無難である。

給排水管

室内の設備を新しくしても、給水や排水の配管はそのまま使うことが多い。長く使っていると、劣化による匂いやつまり、水漏れなどを起こす可能性があるため、一定の周期で交換工事を実施したい。

また、アパートでは各部屋に給水するためのポンプを使用することが多い。ポンプも長く使っているとトラブルが発生する可能性がある。配管の交換と一緒に、ポンプも修理すると良いだろう。費用はアパートの大きさや配管の長さによって異なるものの、国土交通省「民間賃貸住宅における計画修繕のための事例集」に掲載されている事例では、RC造5階建て築11年目に行った給水ポンプの補修に200万円以上がかかっていたことから、数十万円から数百万円はかかることを見込みたい。実施の目安は、国土交通省「民間住宅の計画修繕ガイドブック」によると、高圧洗浄で5年毎、取替で30年毎と言われている。

屋根

雨漏りなどのトラブルを防ぐため、定期的な点検とメンテナンスが必要だ。屋根の修繕には塗装・補修、防水・葺替(ふきかえ)などがある。修繕を行う目安は、国土交通省「民間住宅の計画修繕ガイドブック」によると塗装・補修が11年〜15年毎、防水・葺替が21年〜25年毎だ。屋根の防水工事の相場は1平米あたり5,000円〜1万円程度と言われている。国土交通省「民間賃貸住宅における計画修繕のための事例集」では、RC造5階建て延床面積1,500平方メートルほどの物件で、築14年目に屋根の防水工事を252万円で行った事例が掲載されている。

外壁

建物の長期保全という観点だけではなく、建物の見栄えや印象にも直結してくるため、定期的なメンテナンスが必要だ。外壁の修繕には塗装工事やタイル張り補修工事などがある。修繕を行う目安は、国土交通省「民間住宅の計画修繕ガイドブック」によると塗装工事が11年〜18年毎、タイル張り補修工事が12年〜18年毎だ。費用の目安は、足場の有無や塗装材料によっても異なるが、1平米1万円〜数万円と言われている。国土交通省「民間賃貸住宅における計画修繕のための事例集」によると、木造2階建て1K(24.5平方メートル)6戸の物件で築11年目に外壁塗装を行い、外壁塗装工事51万円、足場工事25万円であった。

手すり・階段・廊下

手すりや階段は、修繕や点検が不十分だと大事故が起こりかねないので、安全性の観点からも、念入りに実施したい項目だ。階段や廊下における鉄部塗装の修繕頻度の目安は、国土交通省「民間住宅の計画修繕ガイドブック」によると4年〜10年毎、塗装・防水が11〜18年毎だ。具体的には、鉄製部分の錆落とし、塗装、踏み板交換などが想定される。金額の目安はそれぞれ1平方メートル当たり数千円、同じく数千円から約30万円からとなっている。国土交通省「民間賃貸住宅における計画修繕のための事例集」に掲載されている事例では、木造2階建て1K(18.2平方メートル)8戸の物件で築13年目に鉄部塗装工事を15万円で行ったとされている。

1戸あたりの修繕費のイメージ

上記にて、各項目の修繕費と実施頻度の目安を解説した。しかし、「項目が多くて、結局いくらかかるのかイメージが湧かない・・」と感じた人がいるかもしれない。そのような人に向けて、1戸あたりの修繕費のイメージを紹介する。

あくまで目安ではあるものの、国土交通省「民間住宅の計画修繕ガイドブック」によると木造で1Kが10戸あるアパートでは、以下のようになる。なお30年目以降も修繕は必要なので注意が必要だ。

築5〜10年目:1戸あたり約7万円(1棟あたり約70万円)
築11〜15年目:1戸あたり約52万円(1棟あたり約520万円)
築16〜20年目:1戸あたり約18万円(1棟あたり約180万円)
築21〜25年目:1戸あたり約80万円(1棟あたり約800万円)
築26〜30年目:1戸あたり約18万円(1棟あたり約180万円)

修繕費を抑える方法とは?

上記の通り、修繕には決して安くない金額がかかる。アパート経営者としては、できる限りコストダウンを図りたいところだ。ここからは、修繕費を抑える方法について解説する。

物件は定期的に確認して修理する

アパートの修繕費を抑えるためには、定期的に小さな修理箇所がないか確認して、コツコツと小さな修繕を重ねることも有効だ。そうすることによって、多額の修繕費がかかる事態の発生を避けることができ、結果としてトータルの修繕費を抑えることができる。

コツコツと小さな修理を重ねるためには、日頃からしっかりと目視で物件を確認する必要がある。自主管理をしている場合を除き、管理会社とよく連携して対応しよう。

修繕費の計画を事前に立てておく

修繕費の計画を事前に立てておくことも重要だ。「この修繕は3年おきにやる。こちらの修繕は5年おきに、こちらの修繕は10年おきに実施する」と決めておくことで、適切なタイミングで修繕を実施することができ、結果としてトータルの修繕費を最小限に抑えることができる。

定期的な点検や必要な修繕を欠かさず実施する

この記事では、アパート経営を始めることを検討している人に向けて、アパートの修繕にはどのような種類があるのか、各項目の修繕費や実施頻度の目安、1戸あたりの修繕費のイメージ、修繕費を抑える方法などについて解説してきた。

建物も人の身体と同じように、年を重ねればいろいろと不具合が出てくる。私たちが定期的に人間ドックを受けて病気の早期発見に努めているように、アパートも定期的な点検が欠かせない。

経営するアパートに長く「健康」でいてもらうために、定期的な点検および必要な修繕を欠かさないようにしよう。

- コラムに関する注意事項 -

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。
外部執筆者の方に本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。