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貸別荘投資は儲かる?メリット・デメリットと失敗しないための注意点

貸別荘投資とは、リゾート地などの物件を購入し、自己利用をしながら、利用しない期間は旅行者などの第三者へ貸し出して収益を得る不動産投資のことをいいます。近年、観光需要の拡大やインバウンド需要の高まりを背景に注目を集めています。

しかし、貸別荘投資にはリゾート地の物件ならではのリスクや注意点が存在します。稼働率の変動や維持管理コスト、法規制への対応など、事前に正しく理解しておかなければ、思わぬ損失を招く可能性もあります。

本コラムでは、貸別荘投資の基本的な仕組みからメリット・デメリット、失敗しないための注意点、居住系不動産投資との比較まで、不動産投資初心者にもわかりやすく解説します。

貸別荘投資とは

貸別荘投資は儲かる?メリット・デメリットと失敗しないための注意点
(画像:PIXTA)

貸別荘投資とは、北海道や沖縄といったリゾート地の物件を別荘として購入し、自己利用をしながら使用しない期間に旅行者などの第三者へ貸し出し収益化を図る不動産投資の一種です。所有者やその家族が物件を利用しながら、使用していない期間は宿泊施設として貸し出すスタイルが一般的です。

近年は、旅館業法に基づく簡易宿所としての活用だけでなく、民泊新法(住宅宿泊事業法)による民泊運営を前提とした貸別荘投資も増えています。民泊新法では「年間180日」未満に営業日数が制限されているため、通常の賃貸経営とは異なる収益構造を持つ点が特徴です。

なお、貸別荘投資では、旅館業法に基づく「簡易宿所」として許可を取得し、運営するケースも多くあります。簡易宿所として運営する場合、民泊新法における年間180日の営業日数制限は適用されません。

ただし、許可取得には用途地域や建築基準、消防設備などの要件を満たす必要があるため、事前の確認が重要です。

貸別荘投資のメリット

貸別荘投資には、通常の居住系不動産投資にはない独自のメリットがあります。通常の居住系不動産投資は収益化のみを目的としますが、貸別荘投資は自己利用と収益化の両立ができる点や、高単価での運用が期待できる点など、ライフスタイルと資産運用を組み合わせたいと考える人にとって魅力的な選択肢となり得ます。

以下からは、主なメリットを4つ紹介します。

自己利用と不動産投資の両立が可能

貸別荘投資の魅力は、所有者やその家族が物件を利用しながら、使用していない期間は第三者に貸し出すことで収益を得られる点です。一般的な賃貸経営は所有者の自己利用はできませんが、貸別荘投資なら「リゾートライフを楽しみながら資産運用する」というライフスタイルが実現可能です。

例えば、需要の高い繁忙期には積極的に貸し出し、需要の少ない閑散期には所有者やその家族が利用するといった使い分けができます。

高単価運用が可能

貸別荘投資は1泊あたりの宿泊単価を高く設定できる可能性があります。特にGWや夏休み、年末年始などの繁忙期には需要が集中するため、収益向上が期待できます。

さらに、温泉付きや海・山などの絶景が望める物件など、希少性の高い設備や立地条件を備えた物件では、より高い単価設定ができることもあります。

競合が限定されやすい

貸別荘投資は、眺望や充実した設備など独自性の高い要素によって差別化を図ることができ、価格競争に陥りにくい傾向があります。立地や施設の希少性が高いほど付加価値が生まれ、リピーターの獲得にもつながります。

一般的なホテルやビジネス旅館とは異なる独自の市場を形成しやすい点は、貸別荘投資ならではの強みといえます。

インバウンド・観光需要を取り込める

北海道や沖縄などの観光地では、国内外の旅行者からの宿泊需要が見込めます。近年ではインバウンド需要の回復により、外国人旅行者向けの宿泊施設として貸別荘が注目される機会も増えています。

観光地としての知名度が高いエリアほど一定の集客が期待できるため、立地選択は収益性を左右する重要な要素のひとつといえます。

貸別荘投資のデメリット

貸別荘投資は儲かる?メリット・デメリットと失敗しないための注意点
(画像:PIXTA)

リゾート物件特有のリスクや、居住系不動産投資と比較した際のデメリットもあります。適切な投資判断を行うためにも、事前に主なデメリットを理解しておくことが重要です。

稼働率が不安定

貸別荘投資において、最大のリスクは年間を通じて安定した収益を確保しにくい点です。

貸別荘投資の収益は観光需要に大きく依存するため、繁忙期と閑散期で稼働率が大幅に変動します。さらに、新型コロナウイルス感染症のような感染症の拡大や自然災害、社会情勢の変化によっても、需要が急激に落ち込む可能性があります。

収益計画を立てる際には、楽観的なシナリオのみに頼らず、稼働率の低下局面も想定した保守的なシミュレーションを行うことが重要です。

維持管理コストが高い

貸別荘投資では、居住系不動産投資と比較して維持管理コストが高くなる傾向があります。

水道光熱費や管理費に加え、雪国エリアでは除雪費用、海沿いでは塩害対策・外壁メンテナンス、山間部では草刈りなど、立地に応じた特殊なコストが発生します。さらに、宿泊施設として貸し出す以上、定期的な清掃や設備の補修・交換も必要です。

これらの費用は想定を上回ることもあるため、実質的な利回りを押し下げる要因となります。投資前に詳細な費用を計算しておくことが重要です。

流動性が低い

リゾート地での貸別荘投資は、流動性の低さが課題となります。リゾート地は購入希望者層が限定されやすいため、売却を希望しても現金化までに長い時間を要するケースもあります。

これは、居住系不動産であれば単身者やファミリーなど幅広い層からの購入が見込める一方で、貸別荘はそのような需要を期待できないことが主な要因です。

そのため、購入前の投資検討段階から、売却時の出口戦略を明確に設定しておくことが重要です。

災害リスクがある

海沿いや山間部などリゾート地では、自然災害リスクにも十分な注意が必要です。津波・高潮・台風(海沿い)、土砂崩れ・豪雪(山間部)など、エリアごとの異なる災害リスクを事前に把握することが不可欠となります。

また、災害による物件の損傷は修繕費用の発生や営業停止につながるため、収益に直接影響を与えます。そのため、ハザードマップや過去の災害履歴を調査するとともに、火災保険・地震保険などの保険内容も十分に検討しておきましょう。

融資条件が厳しい

貸別荘投資を目的とした不動産投資ローンは、融資を受けられないこともあります。リゾート物件は収益の安定性が低いことから、融資を断られるケースや自己資金の割合を高めに求められることもあります。

居住系不動産と比べてファイナンスの選択肢が限定されるため、資金計画の段階から金融機関との事前相談を進めるようにしましょう。

第三者への貸し出しによるトラブルリスク

貸別荘投資では、利用していない期間に第三者へ貸し出しを行うため、宿泊に伴うトラブルが発生する可能性もあります。退去後に部屋が想定以上に汚れていたり、壁や設備が破損していたりすると、対応に時間や労力、費用を要することがあります。

こうしたリスクを完全に回避することは難しいため、利用規約の整備や損害保険への加入、管理会社による確認体制の構築など、未然に防げるようにあらかじめ整備することが重要です。

貸別荘投資で注意すべきポイント

貸別荘投資は儲かる?メリット・デメリットと失敗しないための注意点
(画像:PIXTA)

貸別荘投資を検討するうえでは、メリット・デメリットの把握や実際の運営に関わる具体的な注意点を押さえておく必要があります。法規制の動向や管理会社の選定など、収益性に直結する重要なポイントを確認しておきましょう。

条例等の規制が強化される可能性がある

貸別荘投資では、法規制の動向を継続的に把握しておくことが重要です。前述した通り、民泊新法(住宅宿泊事業法)では「年間180日」未満に営業日数が制限されています。さらに自治体によっては独自の条例でより厳しい制限を設けている場合もあります。

規制は今後も強化される可能性があるため、想定していた稼働日数を確保できなくなるリスクもあります。投資前に対象エリアの条例や規制動向を十分に調査し、その内容を収益計画に適切に反映するようにしましょう。

信頼できる管理会社を選ぶ

貸別荘投資を成功させるためには、運営を委託する管理会社の選定が非常に重要です。清掃・予約管理・トラブル対応など日常的な業務の質が、収益に直結するためです。

貸別荘投資や民泊の運営を手がける会社には小規模な事業者も多いため、倒産や廃業リスクへの注意も必要です。複数の管理会社を比較し、過去の実績や会社規模、財務基盤、契約内容(解約条件・費用負担など)を丁寧に確認したうえで選定しましょう。

法規制・運営ルールを確認する

貸別荘投資として物件を運営するには、事前に法令等の手続きを確認することが重要です。旅館業法に基づく許可取得や住宅宿泊事業法への届出が必要なほか、マンションの一室を活用する場合には管理規約で民泊利用が禁止されているケースもあります。自治体ごとに異なる条例や消防法上の設備要件なども把握しておかなければ、営業停止や罰則の対象となる可能性もあります。

不明点があれば、弁護士や行政書士、不動産会社などの専門家に相談しながら、手続きを進めることをおすすめします。

貸別荘投資と居住系不動産投資との比較

貸別荘投資と居住系不動産投資では、収益の仕組みやリスクの性質が大きく異なります。どちらが自身に適しているか判断するためにも、両者の違いを整理しておきましょう。

貸別荘投資 居住系不動産投資
自己利用 可能 原則不可
投資目的 ライフスタイル+宿泊費収入 安定的な家賃収入重視
主な需要 観光・リゾート需要、富裕層需要 生活需要(単身者・ファミリー)
収益の安定性 季節ごとに繁閑差が大きく変動しやすい 比較的安定(長期入居が前提)
利回りの考え方 稼働率次第で高収益も可能なケースもある 想定利回りが読みやすい
物件の差別化 眺望・温泉・デザイン・設備など 立地・築年数・設備など
維持管理コスト 除雪・草刈り・塩害対策など特殊コストあり 一般的な修繕・管理費が中心
融資の難易度 借りにくい 比較的借りやすい
流動性 買い手が限定され時間がかかる 比較的売却しやすい

貸別荘投資以外にも資産運用の方法はある

貸別荘投資は、収益性よりもライフスタイルの充実を重視する方や、十分な自己資金を準備できる人に適した投資方法です。ただし、貸別荘投資は、あくまでも選択肢のひとつに過ぎません。安定した収益を重視する場合は、居住系不動産投資や土地投資など、他の資産運用方法も幅広く検討することをおすすめします。不動産投資に限らず、株式・債券・投資信託などの金融資産と組み合わせた分散投資も、リスク管理の観点から有効な手段のひとつです。

まずは自身の資金状況・投資目的・リスク許容度を正確に把握したうえで、専門家や金融機関への相談も積極的に活用しながら、最適な資産運用の方法を選択するようにしましょう。

すでに土地を保有している方は、土地投資の種類について解説した以下の記事もぜひご覧ください。

貸別荘投資は、条件次第では高収益も期待できる一方、収益の安定性やコスト面には注意が必要な投資手法です。自身の投資目的やリスク許容度に合った選択が重要といえるでしょう。

【関連記事】土地投資の種類は?初心者にもできる?メリットやおすすめの人とは

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