「不動産投資はリスク」って?メリットは正しく理解している?
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不動産投資に対して「怖い」というマイナスのイメージを抱いている人もいるだろう。実際に不動産投資を始めるにあたり、正しいリスクを認識しコントロールすることは必要不可欠だ。まずは、不動産投資のリスクをしっかりと頭に入れておこう。

不動産投資のリスクとは

不動産投資は、多額の資金が必要なことや借入を利用することもあり、「なんか怖い」「借金はしたくない」といったイメージを抱いている人も少なくない。

不動産投資を始めるにあたっては、不動産投資にはどのようなリスクがあるのか、自分がどの程度までのリスクであれば許容できるのかといった点をまず理解するのが得策である。

リスクをしっかり理解して適切に対応していけば、ある程度リスクを低減することも可能だ。

不動産投資の主立ったリスクには、以下の7つが挙げられる。

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 事件事故リスク
  • 修繕リスク
  • 金利上昇リスク
  • 物件価格変動リスク
  • 災害リスク

いずれにおいても、リスクが顕在化すると大きな出費やキャッシュフローの悪化、資産価値の下落といったネガティブな結果につながる可能性がある。

空室リスク

空室リスクとは、入居者が入らないために賃料収入が減少するリスクを指す。

不動産投資の主な収益源は賃料収入であることから、空室リスクは不動産投資における最大のリスクといっても過言ではない。

賃料収入が減少した場合でも、ローン返済や管理委託料、税金をはじめとする各種固定費および修繕費や入退去費といった変動費は発生し続けるため、空室リスクが顕在化すると、投資として破綻してしまうことも想定される。

物件を購入する前にマーケット調査を行い、当該物件に賃貸需要があるか否かを入念に確認しておくのが得策だ。

家賃滞納リスク

家賃滞納リスクとは、入居者から賃料を回収できないリスクのことである。

不動産投資の主な収入源は賃料収入であるため、入居者がいたとしても家賃滞納があると収支が悪化する。

家賃滞納が長期化すると、滞納入居者を追い出さなければならなくなることもあり、多大な手間と費用が発生することもあり得る。

物件を購入する前に、現入居者が過去に家賃滞納したことはないか、賃料を支払い続けられるだけの収入があるかといった点を確認しておこう。

事件事故リスク

事件事故リスクとは、所有物件において殺人や自殺、孤独死等が発生するリスクを指す。

マンションおよびアパートという集合住宅には、不特定多数の入居者が同時かつ入れ替わり居住するため、事件事故が発生するリスクがある。

物件内で事件事故が発生すると、「事故物件」としてのレッテルを貼られて入居者探しが難航する、賃料を下げなければ入居者がつかない、売却価格が下落するといったこともあり得る。

修繕リスク

修繕リスクとは、専有部(貸室内部)および共用部(共用廊下やエレベーター等)の設備が劣化または故障し、修繕をしなければならなくなるリスクを指す。

設備の中でもエアコンや給湯器、エレベーターは高額であるため、修繕が発生した際には高額な修繕費を要することもあるだろう。

設備の故障や不具合は突発的に発生することも多いため、高額な設備の修繕に備えて手元資金を確保しておくことが無難だ。

物件価格変動リスク

物件価格変動リスクとは、物件価格の騰落により売却価格と購入価格にギャップが生じるリスクを指す。

不動産も株式のように価格変動があるため、売却時に物件価格変動リスクが顕在化することがある。

購入後に物件価格が大きく下落すると、物件の売却価格がローンの借入残高を下回り、全額を返済に充てたとしても借金だけが残る結果になることもあり得る。

金利上昇リスク

金利上昇リスクとは、変動金利で融資を受けた場合に発生するリスクで、金融機関の基準金利が上昇することによって当該融資における金利も上昇するリスクである。

金利が上昇すると、毎月のローン返済における金利負担が大きくなり、支払総額の増大やキャッシュフローの悪化を招く可能性がある。

災害リスク

災害リスクとは、地震や台風等の自然災害によって建物が損壊したり浸水したりするリスクのことだ。

日本は大きな地震や台風等が多く発生するため、不動産という現物資産を保有することにはリスクが付きまとう。

災害によって建物が損壊したり浸水したりすると、多額の修繕費が発生するだけでなく、修繕工事中は建物を賃貸できなくなるため、賃料収入が途絶えることもある。

建物を所有する際は火災保険や地震保険および特約等に加入し、災害の発生に備えることが重要だ。

不動産投資とその他投資のリスクの違い

不動産投資とその他投資(株式やFX、投資信託等)のリスクの違いは、不動産が「現物資産」であるということだろう。

現物資産であるため、以下に挙げる2つのような不動産投資特有のリスク要因が存在する。

  • 経年劣化
  • 運営上のコストの多さ

建物および付属設備は経年とともに劣化する。そのため、日常清掃や大規模修繕、設備の動作確認等のメンテナンスといった管理手間がかかる。また、設備を修繕したり物件の管理を管理会社にアウトソーシングしたりする場合には費用がかかる。

不動産投資特有の経費という点では、税金という経費もある。日本においては、物件購入時には不動産取得税、保有期間中は毎年固定資産税および都市計画税、物件売却時には不動産譲渡益にかかる税金(売却益が出た場合)等が発生する。

株式やFX、投資信託等のペーパーアセットは、経年劣化することはなく、メンテナンスの必要もない。また、不動産投資ほどの税金は発生しないのが一般的である。

不動産投資で失敗するリスクが高い人の特徴3つ

不動産投資にはリスクが伴うため、リスクを看過すると失敗して損失を出してしまう可能性がある。

不動産投資で失敗するリスクが高い人の特徴として、以下3つが挙げられる。

  • 利回りを重要視しすぎている
  • マーケット調査が甘い
  • 必要な経費まで削減しようとする

利回りを重要視しすぎている

投資をする以上、高い利回りを期待すること自体は投資家として正しい姿勢であるが、利回りを重要視しすぎることは危険な場合もある。

高い利回りを重要視しすぎると、賃貸需要が縮小するエリアの物件や瑕疵のある物件を購入してしまうことにも繋がり得るため、注意が必要だ。

投資におけるリスクとリターンは表裏一体の関係にあるのが一般的であることから、高利回りという高いリターンが期待できる物件においては相応のハイリスクが潜んでいる可能性があるという認識を持っておくといいだろう。

マーケット調査が甘い

マーケット調査とは、購入後の賃貸需要および売却時の流動性といった市場についての情報収集である。

マーケット調査をする際は、エリアの人口や賃貸住宅のニーズの多寡といった客観的なデータをもとに、安定的に入居付けができるか、売却時に買い手を見つけられるかといった点を考察する必要があるだろう。

マーケット調査が甘いと、購入後に空室が続いたり、売却活動が思うようにいかなくなったりする可能性がある。

必要な経費まで削減しようとする

不動産投資には経費が付きものであるため、可能な限り経費は安くするのが得策である。しかし、過度に経費をかけたくないために必要な経費まで削減してしまうと、かえって投資としてのパフォーマンスが落ちることもある。

不動産投資において必要な経費とは、損害保険料や空室を埋める際に賃貸仲介業者に支払う成約報酬、物件のメンテナンス費用といったものが挙げられる。

必要な経費まで削減しようとすることで、保険が使えないために「災害時に多大な修繕費がかかる」「賃貸仲介業者への訴求力が弱いために空室が埋まらない」「適切なメンテナンスが行き届かないために物件の劣化が早まる」といった事態に陥ってしまうこともある。

不動産投資のリスクを理解しコントロールしよう!

不動産投資は一件当たりの投資単価が数千万円以上の規模になることが多い上、金融機関からの融資で物件購入にかかる費用を支払うのが一般的だ。

数千万円以上の借金をして投資をする以上、大きな失敗を避けるためにリスクを正しく理解しコントロールする必要がある。

リスクをコントロールする方法としては、マーケット調査や建物の劣化診断を万全に行う、損害保険に加入する、入居者に家賃保証会社に加入してもらうなど、各リスクに対する回避策を講じることが有効だ。

不動産投資のリスクは、正しく理解すればある程度コントロールできるものも多い。不動産投資への「怖い」という漠然としたイメージを消化しつつ、物件を購入する前には万全な準備をしておこう。

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