不動産投資におけるサブリースとは?利用する際の注意点
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不動産投資を始める人にとって、「どの物件を購入するか」は当然非常に重要であるが、「どのようにその物件を管理していくか」ということも真剣に検討したい要素の1つだ。

管理方法の1つの選択肢として「サブリース」が挙げられる。サブリースと聞くと、ややネガティブな印象を持つ人もいるかもしれない。しかし、メリットや注意点を詳しく知らず、何となくイメージだけで判断しているとしたら、不動産投資におけるチャンスを見逃してしまう可能性もある。

まずはサブリースのメリットや注意点を理解してから、利用するか否かを判断することが重要だ。そこで今回は、サブリースとは何か、そのメリットや、利用するときの注意点などを解説していこう。

サブリースとは?

まず、「サブリース」とはどのようなものなのか、確認しよう。サブリースとは、賃貸物件の管理形態の一種で、借り上げによる家賃保証制度のことだ。具体的には、不動産管理会社が不動産オーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する。

賃貸物件の管理形態には、大きく分けて以下の3つがある。

  • 自主管理
  • 通常の管理委託
  • サブリース

なお、賃貸物件の主な管理業務には、入居者募集や入居手続き、入居者のクレーム対応、共用部の定期的な清掃やメンテナンスなどが挙げられる。

「自主管理」はその言葉の通り、不動産管理会社に管理業務を委託せず、不動産オーナーが自分で管理をする形態だ。不動産管理会社に支払う管理費の負担が発生しない代わりに、前述の管理業務を自分で行う必要がある。

「通常の管理委託」では、前述の管理業務を不動産管理会社に委託するパターンだ。自主管理に比べて、不動産オーナーの管理業務負担はかなり少なくなるが、その代わりに管理費の負担が発生する。なお、賃貸物件の管理費の相場は、一般的に「月額家賃×5%」と言われている。

「サブリース」では、前述の通り、不動産管理会社が不動産オーナーから賃貸物件を借り上げ、入居者に転貸するため、不動産オーナーの管理業務負担は「通常の管理委託」以上に少なくなる。その代わりに、借り上げ賃料は家賃相場の80%〜90%となることが一般的だ。

サブリースのメリット

ここからは、サブリースのメリットについて見ていこう。メリットとして以下のようなことが挙げられる。

管理業務をすべて任せられる

サブリースでは原則として、管理業務をすべて任せられる。不動産オーナーから見ると、賃貸物件を一括して不動産管理会社に貸しているので、不動産管理会社が第三者に転貸したとしても、管理業務はすべて不動産管理会社で完結してくれる。

したがって、不動産オーナーは基本的に、サブリース契約で定められた家賃がしっかり入金されているかを毎月確認すればよい。

空室や滞納による家賃喪失リスクを低減できる

不動産オーナーが不動産管理会社に貸している限り、その不動産管理会社がうまく第三者に転貸できたとしても、あるいはなかなか転貸できず空室が長期化してしまったとしても、不動産オーナーは毎月、サブリース契約所定の家賃を得ることができる。

不動産管理会社が契約通り入金してくれる限りは、空室や滞納による家賃喪失リスクを低減できるというわけだ。

広告料・原状回復費の負担軽減

「自主管理」や「通常の管理委託」においては、空室を埋めるための広告料や、入居者の退去時の原状回復費を不動産オーナーが負担することが一般的だ。しかし、サブリースにおいては、基本的にはこれらも不動産管理会社が負担してくれる。

したがって、広告料や原状回復費の負担を軽減することができるというわけだ。

サブリース利用するときの注意点

ここからは、サブリースの注意点について見ていこう。以下のような注意点が挙げられる。

収益性が下がる

前述のように、借り上げ賃料は家賃相場の80%〜90%となることが多い。したがって、サブリース契約を行うと、空室がほとんど発生せず100%近い稼働状態を維持できた場合に比べて、収益性は下がる。

要するに「サブリースを利用して、収益性の極大化を捨てて家賃喪失リスクを低減するか」「サブリースを利用せず、家賃喪失リスクを負う代わりに収益性の極大化を求めるか」という二択だ。サブリースを検討するときは、家賃保証率を確認し、物件特性やエリア特性、そのエリアの賃料相場を鑑みて、その家賃保証率が適正かどうかをしっかりと考えるようにしよう。

一定期間ごとに賃料の見直しや不動産会社からの中途解約がある

一般的に、サブリースは一定期間ごとに借り上げ賃料の見直しが行われる。したがって、いま提示されているサブリース条件は、10年後も20年後も続くわけではない。

サブリースを検討するときは、どれくらいの期間ごとに賃料の見直しが発生するのかを確認しよう。また、できる限り、値下げ下限額や過去の見直し実績も確認したいところだ。また、不動産管理会社からサブリース契約を中途解約されることもあるため、未来永劫契約が続くものではないことは認識しておこう。

免責期間がある

サブリースによっては、新築後や入居者の退去後に、「○ヵ月は借り上げ賃料を支払わない」といった免責期間が設定されていることがある。そのような設定がある場合、サブリース期間中とはいえ、賃料は得られないことに注意が必要だ。

サブリースを検討するときは、免責期間があるのか、どれくらいの期間なのかなどをしっかりと確認しよう。必要に応じて、その期間の資金繰りも準備しておきたい。

入居者を選べない

サブリースは不動産管理会社が不動産オーナーから賃貸物件を一括で借り上げるため、「誰に転貸するか」については、不動産オーナーが口出し(指示や拒否など)できない場合が多い。また、「誰に転貸しているか」の情報を共有してもらえないこともある。不動産オーナーからすると、自分の物件にも関わらず、入居者を選ぶことができない、知ることもできないというわけだ。

サブリースを検討するときは、どのような人を入居させる予定なのか、入居条件を事前に確認するようにしよう。

解約に条件がある

サブリースによっては、解約するときに「○ヵ月前までに告知しないといけない」などといった条件が設定されることある。サブリースを検討するときは、解約条件についてしっかりと確認するようにしよう。 特に解約について定めがない場合、オーナーからの解約には借地借家上の規定により正当事由が必要になり、解約しにくくなる点にも留意しよう。

その不動産管理会社は信頼できるか

サブリースは基本的に、サブリースする不動産管理会社と長期にわたる付き合いとなる。したがって、「その不動産管理会社は信頼できるか」ということが非常に重要だ。

仮にずさんな管理や地域特性に合っていない管理をされてしまうと、物件の評判が悪くなってしまい、サブリース契約を解消したあとも悪評が続いてしまう可能性がある。また万が一、不動産管理会社が倒産してしまった場合は、不動産オーナー、転貸入居者の双方に対応の手間がかかることになる。

サブリースを検討するときは、経営は安定しているか、物件所在エリアに精通しているか、他の不動産オーナーから評判はどうなのかなど、その不動産管理会社は信頼できるかどうかをしっかりと確認するようにしよう。

メリットと注意点をしっかりと理解して活用の可否を判断しよう

ここまで、サブリースとは何か、そのメリットや、利用するときの注意点などを解説してきた。サブリースと聞くと、ややネガティブな印象を持つかもしれないが、それ自体が悪いわけではなく、むしろ上手に活用すれば、不動産投資の大きな助けにもなり得る。

重要なことは、サブリースのメリットと注意点をしっかりと理解することだ。それらを理解したうえで、活用するか否かを判断していこう。

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