アパート経営に必要な初期費用は?気をつけたいポイントも解説
(画像=FrankBoston/stock.adobe.com)

アパート経営を始めようか検討している人にとって、気になるのが「初期費用にはどのようなものがあって、合計でいくらくらいかかるのだろうか」ということだろう。

今回は、アパート経営を始めようか検討している人に向けて、アパート経営に必要な初期費用の概要、アパート経営の初期費用の種類、そして初期費用を考える際に気をつけたいポイントなどを解説する。

アパート経営の初期費用の概要

アパート経営の初期費用はどれくらいかかるのだろうか。初期費用の総額は、購入するアパートによって詳細は異なるものの、新築アパートの場合は購入価格の4〜7%、中古アパートの場合は7〜10%と言われている。なお、この初期費用には、ローンの頭金は含まれていない。

つまり、1億円の新築アパートを購入する際は400万円〜700万円、1億円の中古アパートを購入する際は700万円〜1,000万円が初期費用として必要ということだ。物件価格の全額をローンで賄う「フルローン」でアパートを購入するにしても、これらの金額は別途必要になることに注意しよう。

金融機関によっては、「オーバーローン」といって、物件価格に加えて諸費用も融資してくれる場合がある。オーバーローンを活用すると、購入時の手元資金の減少を抑えることができるが、返済総額が大きくなることに加えて、金利が高くなることもあり、活用する場合には注意が必要だ。

上記で紹介した初期費用にローンの頭金は含まれていないため、フルローンやオーバーローンを活用する、もしくは現金購入するケース以外は、「頭金をいくら準備するか」ということも考える必要がある。

金融機関にもよるが、頭金は物件価格の10〜30%程度必要なケースがあるので事前に金融機関に確認しよう。

アパート経営を検討するときは、「この規模のアパートを購入する場合、自分はどれくらいの借り入れをすることができるのか(するべきなのか)、頭金はいくら必要なのか、そのアパートの初期費用はいくらくらい必要なのか」などを総合的に考えることが重要だ。

アパート経営の初期費用には何がある?

新たにアパートを購入してアパート経営を始めるとき、初期費用にはどのようなものがあるのだろうか。ここからは、アパート経営の初期費用の項目を列挙し、それぞれの概要を解説する。

不動産取得税

不動産取得税とは、土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得したときに、取得者に対して課税される税金だ。有償・無償、登記の有無にかかわらず課税となる(ただし相続など一定の場合には課税されない)。税額は「取得した不動産の固定資産税評価額×税率」で計算される。税率は、土地や家屋(住宅)の場合は3%だ。なお、軽減措置で2024年3月末まで税率3%だが、本来は4%である。

不動産取得税を支払うタイミングだが、アパートを取得したタイミングではなく、半年〜1年などのタイムラグをおいて請求がやってくる。忘れていた頃に請求が届きがちなので、資金管理はしっかり行うようにしたい。

印紙税

印紙税とは、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)など特定の文書に課税される税金だ。購入する不動産が高額になればなるほど印紙税も増える。

契約金額 印紙税額(軽減前) 印紙税額(軽減後)
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円 3万円
1億円を超え5億円以下 10万円 6万円
5億円を超え10億円以下 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下 40万円 32万円
50億円超え 60万円 48万円

出典:国税庁『「不動産譲渡契約書」および「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について(平成30年4月)(令和2年4月改訂)』より株式会社ZUU作成

例えば、10万円超50万円以下の取引の際の印紙税は200円だが、100万円超500万円以下の取引の際は1,000円、5,000万円超1億円以下の取引の際は3万円、1億円超5億円以下の取引の際は6万円、さらに50億円超の取引の際は48万円がかかる。また、金融機関とローン契約する際の金銭消費貸借契約にも別途印紙代が発生し、その印紙代には軽減税率が適用されないことにも注意したい。

なお、今後は電子契約が増えていきそうであり、その場合は印紙税の課税対象とならないことから印紙代は不要となる。

登記費用(登録免許税)

土地や建物を建築したり購入したりしたときは、所有権保存登記や所有権移転登記、抵当権設定登記などを行う必要がある。この登記をする際にかかる税金が登録免許税だ。なお、物件が新築か中古かで課税される登録免許税率は変動するので注意が必要である。

例えば、売買に伴う土地の所有権移転登記の税率は不動産価格(原則として固定資産税評価額)の2%だ。ただし、2023年3月31日までの間に登記する場合は1.5%に軽減されることになっている。また、売買に伴う建物の所有権移転登記の税率は不動産価格(原則として固定資産税評価額)の2%だ。

また、登記は司法書士などに外注することが一般的だ。外注する際は、外注先への費用がかかるため、計算にいれておくと良いだろう。

アパートローン手数料

ローンを活用してアパートを購入する場合は、アパートローンの手数料がかかることが一般的だ。金融機関によって詳細は異なるものの、借入金額の1〜3%であることが多い。

各種保険料(火災保険、地震保険など)

一般的に、ローンを活用する際は火災保険の加入が必要だ。また、日本は災害が多い国であるため、地震保険への加入も検討したい。保険料は、どの保険会社でどのような保険内容にするかによって変動するが、5〜10年間分を一括払いする方法で30〜50万円ほどかかる場合が多い。

支払い方法は大きく分けて、一括支払いと分割支払いがある。一括支払いは保険料が安くなるケースが多い。しかし、一括支払いを選択する場合は、まとまった現金を用意する必要がある。

火災保険の契約期間は最長10年だ。ただし、自然災害が多発しているなかで契約期間を短縮して保険料の見直しを素早く反映できるようにするため、契約期間が2022年度にも現行の最長10年から5年に短縮されるという報道もある。

地震保険の契約期間は最長で5年だ。ただし、主契約である火災保険の保険期間によって、契約できる保険期間が異なる。

外注費

先に説明した司法書士のほかに、弁護士費用や税理士費用もかかる場合があり、それらへの報酬も頭に入れておきたい。

また、自主管理をする場合を除き、不動産会社(管理会社)に物件の管理を依頼することになる。管理費は各社によって異なるが、目安は賃料の5%前後だ。管理を依頼すると、定期的な清掃やメンテナンス、契約更新などの手続き、入居者からの連絡の対応などを所有者に代わって対応してくれる。

アパート経営の初期費用を考える際に気をつけたいポイント

アパート経営の初期費用を考える際に気をつけたいポイントについて解説する。

まず重要なことは、初期費用を支払うことで、手元資金がほとんどなくなってしまう事態を避けることだ。アパート経営開始後、思ったほど速やかに空室が埋まらずに、想定していた入居率に届かない可能性も想定される。空室リスク以外にも、突発的なトラブルによって、現金が必要になることもあるだろう。

そのようなときに手元資金が枯渇していると、早々にアパート経営が頓挫しかねない。このような事態を避けるために、頭金と初期費用以外の現金も手元に準備しておくようにしよう。目安としては半年〜1年分のローン返済分の現金を手元に置いておきたいところだ。

ローン審査の観点では、オーナーの年齢や保有資産、借入状況によってはローン返済額1年分の余剰資金では足りないと判断されてローンがおりないケースがあるので、さらに多めの資金を残しておくのが無難だろう。

特に中古アパートを購入する場合は、新築アパートに比べて、設備の故障など突発的な修繕対応が発生する可能性が高い。中古アパートを購入する場合は、より手元資金の充実に目を配りたい。

初期費用は、項目によって支払いのタイミングが異なることにも注意が必要だ。

初期費用以外に余剰資金を手元に残しておこう

ここまで、アパート経営を始めようか検討している人に向けて、アパート経営に必要な初期費用の概要、アパート経営の初期費用の種類、そして初期費用を考える際に気をつけたいポイントなどを解説してきた。

アパート経営を検討するときは、「アパートローンでどれくらいの金額を借りるか」「そのアパートを購入したときの初期費用はいくらか」「物件購入後に手元に残しておく資金はいくらか」などを総合的に勘案して、資金を準備することが重要だ。

以上を踏まえて、物件を購入した後に資金繰りに困ることがないよう参考にして欲しい。

- コラムに関する注意事項 -

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。
外部執筆者の方に本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。