不動産投資は年収400万円では厳しい?年収400万円で不動産投資を行うためには

年収400万円で不動産投資をすることは現実的に難しいとよく言われますが、数年先に不動産投資をスタートさせるための準備として今できることが沢山あるということを、見落としてしまっている方は意外と多いのではないでしょうか?

本コラムでは、年収400万円の方が不動産投資を行う際に直面する現実的な問題や、それを乗り越えるための具体的な方法を解説します。年収400万円の方がどのように不動産投資を成功させるべきなのかを学び、この挑戦を実現するための第一歩を踏み出しましょう。

年収400万円で不動産投資はできるのか?

不動産投資は年収400万円では厳しい?年収400万円で不動産投資を行うためには
(画像:PIXTA)

年収400万円で不動産投資をすることは不可能ではありませんが、金融機関からの融資を受けられないことが多く、また受けられたとしても空室時のローン返済や設備故障などの突然の出費に対応できないかもしれません。

不動産投資において、融資を受ける際の審査基準の一つが投資家の年収です。一般的に不動産投資ローンを組むためには安定した一定水準以上の収入が必要とされ、金融機関によって最低年収基準が設定されていることも多いです。多くの場合、最低年収基準は年収500万円から700万円以上といわれており、年収400万円では融資の承認が得られにくいと言えます。

また、融資を受けられたとしても金融機関にとっては貸し倒れリスクが高いため、融資可能額が借入希望額に届かなかったり、金利が高めに設定されたりすることもあります。

そのため、若年層で年収400万(新卒勤続3年など)の場合は勤続年数を重ねて年収を伸ばしつつ貯蓄を増やしてから、投資を始めることが堅実です。

年収400万円での不動産投資の現実

先ほど年収400万円では不動産投資をするのは難しいと解説しましたが、具体的にどのような問題があるのかを解説します。

・融資審査の厳しさ
・自己資金の不足
・キャッシュフローの圧迫
・予備資金の確保が難しい

融資審査の厳しさ

年収400万円の場合、多くの金融機関で融資審査を通過するのが難しいです。融資審査にはいくつかの基準があり、年収についても一定以上の基準をクリアしないと融資をしてくれない金融機関がほとんどです。具体的には、年収500万円以上が最低ラインとされることが多く、年収400万円ではその基準を満たさないため、融資の承認が得られにくくなります。

融資審査では、年収だけでなく勤続年数や職業の安定性も評価されますが、年収が基準を満たしていないと総合評価も低くなりがちです。また、たとえ融資を受けられるとしても借入希望額に届かなければ、不動産購入に必要な資金を十分に確保できず不動産投資を始められないかもしれません。融資の壁を乗り越えるためには、年収を上げたり自己資金を多く用意したりする必要があります。

自己資金の不足

年収400万円だと貯蓄も少ない傾向にあります。不動産投資では初期費用(頭金、手数料、諸経費など)が必要であり、これらを自己資金で賄うことが難しい場合、投資を始めること自体が困難です。例えば、マンション購入の場合、頭金として物件価格の1〜2割程度が必要とされることが多いです。これは、5,000万円のマンションであれば最低でも500万円もの自己資金が必要となる計算です。

また、不動産投資はローンの返済以外にも運営費用が毎月かかります。建物の修繕や設備故障などによる突然の出費にも備える必要があり、ローンを借りることができても年収400万円ではこれらの費用を十分に賄う貯蓄が不足しがちです。

キャッシュフローの圧迫

年収400万円の場合、月々のローン返済額が家計を圧迫しやすくなります。不動産投資では運営費用や修繕費、空室発生なども考慮すると、収支がマイナスになるケースもあります。不動産投資での収支がマイナスになると、本業の給与から不動産にかかる費用を生活費などから切り崩して捻出する必要がありますが、そのためには一定の給与収入が必要となります。

予備資金の確保が難しい

前述した通り、不動産投資には修繕費などの突発的な出費がつきものです。例えば、屋根の修理や設備の交換など、数十万円から数百万円単位の出費が必要になることがあります。また、空室が発生すると、賃貸収入が途絶えるため、その間のローン返済や管理費を自己資金で賄わなければなりません。

このため、不動産投資を始める前には十分な予備資金を確保することが重要です。しかし、年収400万円では日常の生活費や自宅の家賃をはじめ、オートローンなどのローン返済もあると、予備資金を十分に確保しにくいケースが多いと思います。

年収400万円の方が不動産投資を行う前にすべきこと

不動産投資は年収400万円では厳しい?年収400万円で不動産投資を行うためには
(画像:PIXTA)

年収400万円の方が不動産投資を行うには、まず投資に適した状況を整えましょう。年収400万円の方が不動産投資を行う前にすべきことを以下の4つ解説します。

・キャリアアップと収入向上
・貯蓄の増加と資産管理
・知識と情報の収集
・不動産投資の計画

キャリアアップと収入向上

まずはキャリアアップや収入向上を目指しましょう。収入が増えれば、融資審査でも有利になり、不動産投資の可能性が広がります。現職での昇進を目指したり、ステップアップの転職を検討したりしましょう。ただし、転職直後は新しい職場での収入実績が少ないため、ローンの審査をするには不十分と判断されてしまうこともあります。

また、自身の仕事に関わる資格取得やスキルアップをすることで、自分の市場価値が高まり、昇進や高収入のポジションを目指せる可能性があります。リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決能力などのビジネススキルを磨くことで管理職や経営層への道が開け、収入も増えるでしょう。

貯蓄の増加と資産管理

資産管理を徹底し貯蓄を増やすことも重要です。そのためには、家計の固定費を見直し、無駄を削減することで貯蓄を増やしましょう。例えば、格安SIMに変更することで通信費を削減したり、保険の見直しを行うことで保険料を抑えたりすることが有効です。

また、毎月一定額を確実に貯蓄する計画を立て、自動積立や定期預金を利用することで、計画的に資産を増やしていきます。貯蓄が増えれば、自己資金を増やすことができ、不動産投資の初期費用を確保するための準備や不動産を保有するうえでの突発的な出費にも耐えられるようになります。

知識と情報の収集

不動産投資で成功するためには、不動産市場の動向や投資の基礎知識を学んでおくことが重要です。セミナーや専門書、不動産投資家同士のコミュニティなどを活用して知識を深めましょう。また、基礎知識を深めたあとに不動産投資の成功事例や失敗事例を学ぶことで、自身の投資戦略のイメージをより具体化し練り上げることができます。

地域ごとの不動産市場の動向を把握することも重要です。人口動態や経済状況、開発計画などを調査し、将来的に価値が上がりそうなエリアを見極めることが求められます。これにより、適切な投資先を見つけることができ、リスクを最小限に抑えることができます。

不動産投資を始める上では、事前に知識を深めて自分自身の投資戦略を明確にしておくことで、より自信を持って物件選定もしやすくなることに加え、投資リスクについても事前に把握できることで成功へ大きく近づくことができます。

不動産投資の計画

不動産投資を成功させるためには具体的な目標を設定し、リスク管理を徹底することが重要です。例えば、賃貸収入で年間30万円を得ることを目標にします。このために、家賃を月20万円で設定し、空室率を5%として実質的な月収入を19万円と見積もります。一方、ローン返済額は月13.5万円、諸経費は月2.5万円とし、総支出額を月16万円に設定します。これにより、月々の手取り収入は3万円、年間の手取り収入は36万円となります。

また、リスク管理も不可欠です。不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。空室リスクや災害リスクなど多くのリスクに備え準備することも重要です。例えば空室率を5%と想定し、空室期間を最小限に抑えるために定期的なメンテナンスを行います。加えて、年間の修繕費用を諸経費に組み込み、予備資金を確保することで、不測の事態に備えましょう。

このように、明確な目標を設定し、具体的な収支計画とリスク管理を徹底することで、不動産投資の成功率を高めることができます。

年収400万円の方が今できる不動産投資戦略

それでは年収400万円の方が今不動産投資を行うためには、具体的に何ができるでしょうか。

年収400万円の方でもスタートしやすい不動産投資戦略の1つは、200~300万円程度の築古戸建の運用から始めることです。具体的な方法として以下のステップを解説します。

・まずは現金を貯めたり、属性を上げたりする
・築古戸建を数百万で現金購入する
・運用する中で不動産投資の経験と知識を積む
・ローンを組めるようになったら大きな投資に挑戦する

まずは現金を貯めたり、属性を上げたりする

築古戸建を購入するために現金を200~300万円貯めましょう。

そのために、毎月の貯蓄額を決めて、自動的に積み立てるようにしましょう。また、毎月の収支を見直し、無駄な支出を削減します。家賃、通信費、保険料などの固定費の削減はもちろん、食費、娯楽費などの変動費も見直し、可能な限り節約しましょう。

将来において融資審査を通過するために、勤続年数を増やしたり、キャリアアップをしたりして年収を上げるなど属性を向上することも重要です。属性を上げる方法として、まず始められることはクレジットカードの限度額を下げたり、使用していないクレジットカードを解約したりすることも考えられます。クレジットカードの限度額や年会費が借入額として扱われ、融資審査においてマイナスの判断材料とみられるケースもあります。

築古戸建を数百万で現金購入する

年収400万円ではローンを組むことが難しいため、これまで貯めてきた現金を使って築古戸建を購入します。地方や郊外の築古戸建であれば、200〜300万円の物件が見つかることがあり、現金での一括購入が可能です。現金で購入した場合はローン返済の負担がないため、キャッシュフローを安定させやすくなります。

運用する中で不動産投資の経験と知識を積む

現金購入した築古戸建で不動産投資の経験と知識を積みましょう。大きな規模の不動産投資をする際に、ここで得た経験や知識が役立つことでしょう。

賃貸経営を通じて、物件の管理、リフォーム、賃貸募集のノウハウ、賃借人とのコミュニケーションや契約手続きの流れを理解することができます。また、賃貸経営を行うことで、投資に対する自信をつけることも可能です。

また、不動産投資の経験や知識があることは、将来的にローンを借りる際の審査でのプラス判断材料となる可能性が高いです。金融機関は投資家の経験や実績を評価するため、過去の成功事例があると融資審査においても判断しやすくなります。まずは小規模な投資から始めることでリスクを抑えながら、将来的な大規模投資の準備を整えることができます。

ただし、経験や知識は身に付けられるものの、築古戸建投資はマンション投資などと比べて自分自身で判断、対処すべきことが多く手間がかかるため、必ず覚悟をもって始めるべきということを忘れてはいけません。

ローンを組めるようになったら大きな投資に挑戦する

勤続年数が長くなり、年収が上がってローンが組めるようになったら、これまで培ってきた経験と知識で大きな投資に挑戦しましょう。年収別にローンの限度額と購入できる不動産の種類を紹介します。あくまで一例ですが参考としてご覧ください。

年収融資額の目安購入可能な不動産の種類
1,000万円7,000万円~1億円・中古の一棟マンション
・新築または中古の区分マンション
・新築または中古の一棟アパート
700万円4,900万円~7,000万円・中古一棟アパート
・新築または中古区分マンション
500万円3,500万円~5,000万円・中古一棟アパート
・新築または中古区分マンション

このように、年収400万円の方でも適切な準備と戦略を立てることで、不動産投資を成功させることができます。貯蓄を増やす、属性を上げる、小規模な投資から始めて経験と知識を積むなど、できることはたくさんあります。そして、収入が向上しローンが組めるようになったら大規模な投資に挑戦しましょう。

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