一棟物のマンション・アパートの違いは? 不動産投資をするならどちらを選ぶべき?
(画像=ah_fotobox/stock.adobe.com)

不動産投資をするにあたり、一棟物件を購入したい方もいるのではないだろうか。その際、意外に迷うのが一棟マンションと一棟アパートのどちらを選べばよいかということだ。本記事では、一棟マンションと一棟アパートの違いを明確にしたうえで、それぞれのメリットと注意点を整理していく。ぜひ後悔しない選択をするための参考にしてほしい。

マンションとアパートの構造・階数・立地の違い

マンションやアパートと一口に言っても多種多様なタイプやグレード、規模、立地などがある。

本記事では、不動産投資をテーマにしているため、一般的な投資家が購入することの多い一棟マンションと一棟アパートを前提にしながら両者の違いを解説していく。

マンションとアパート「構造の違い」

マンションの構造で多く見られるのは、鉄筋コンクリート造と鉄骨造だ。あわせて一部、鉄骨鉄筋コンクリート造などの構造も見られる。一方、アパートの構造で多く見られるのは木造だが、鉄骨造や軽量鉄骨造などさまざまだ。構造によって以下のように法定耐用年数が変わってくる。

建物の構造法定耐用年数
軽量鉄骨造19年(鋼材の厚みが3mm以下)
27年(鋼材の厚みが3〜4mm以下)
木造22年
重量鉄骨造34年
鉄筋コンクリート造47年

マンションとアパート「階数の違い」

一般的にアパートの階数は、2階建ての建物が多い。例外として1階建てのアパートもあるが、これはレアケースと考えていいだろう。一方、一棟マンションは3~5階程度の低層マンションが多い。なかには、6階建て以上のマンションも見られる。

マンションとアパート「立地の違い」

一般的にマンションは、駅近など好立地にあることが多い。一方アパートは、駅から離れた立地にあることが多い傾向だ(首都圏などの場合)。ただしあくまでも傾向のため、ケースバイケースというのが実情だろう。

家賃相場・入居者傾向・物件価格の違い

不動産投資をする際は、家賃相場や入居者傾向、物件価格などの違いも押さえておきたい。

家賃相場の違い

マンションは、家賃相場で比較するとアパートよりも家賃設定が高めといわれる。レインズ(公益財団法人 東日本不動産流通機構)が発表する「年報マーケットウォッチ2021年・年度」によると、首都圏の成約賃料の違いは以下のとおりだ。

<首都圏の成約賃料の比較>

年度マンションアパート㎡単価の差額
(円/㎡)
賃料
(万円)
㎡単価
(円/㎡)
賃料
(万円)
㎡単価
(円/㎡)
東京都2019
2020
2021
10.0
10.0
9.9
2,959
3,002
3,020
6.9
7.1
7.2
2,586
2,557
2,620
372
444
400
埼玉県2019
2020
2021
6.8
6.8
6.8
1,720
1,720
1,739
5.3
5.3
5.2
1,631
1,630
1,663
88
90
76
千葉県2019
2020
2021
7.2
7.3
7.4
1,779
1,817
1,878
5.1
5.1
5.1
1,562
1,586
1,573
217
230
305
神奈川県2019
2020
2021
7.8
8.0
8.0
2,162
2,183
2,221
5.9
6.1
6.0
2,023
2,008
2,036
139
175
186
首都圏2019
2020
2021
9.1
9.3
9.2
2,598
2,660
2,714
6.2
6.4
6.5
2,164
2,177
2,251
433
482
463
出典:レインズ(公益財団法人 東日本不動産流通機構)「年報マーケットウォッチ2021年・年度」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成

上の表を見ると以下の2つのことがわかる。

・実際にマンションはアパートよりも家賃相場が高め
・どれくらい家賃相場が高いかはエリアによって異なる

この結果は一般的にマンションの方がアパートよりも駅から近い立地に建ちやすく、これに伴う家賃の高さを反映しているものと思われる。

もちろん、この結果は傾向でしかない。一棟アパートでも個別の物件で見れば「築年数が浅い」「住宅設備が充実している」「好立地」といった物件であれば、周辺の一棟マンションを上回る家賃設定も考えられる。

入居者の違い

マンションの住人は比較的家賃が高くても駅から近いなどの好立地物件に住みたい人が多い傾向にある。一方のアパートは、家賃を抑えるために駅から遠いなどの物件に住む人と言えるだろう。

物件価格の違い

一棟マンションと一棟アパートの物件価格の違いを比較すると一棟マンションのほうが割高な傾向だ。その理由としては、以下の3つの要因が挙げられる。

・マンションのほうが建物の規模が大きいこと
・(木造よりも)RC造の建築コストが高いこと
・マンションのほうが好立地な物件が多いこと など

具体的にマンションは、アパートよりどれくらい物件価格が高いのだろうか。物件の構造、間取り、立地エリアなどケースバイケースのため、一概に比較するのは難しいため具体的な記載は避けたい。

一棟マンション経営とアパート経営のメリットと注意点

ここまで解説してきた内容に基づき一棟マンション経営と一棟アパート経営のメリットと注意点をまとめてみよう。

一棟マンション経営のメリットと注意点

一棟アパートと比べたときの一棟マンション経営の主なメリットは、以下の3つだ。

・法定耐用年数が長い
・駅前など好立地の物件の割合が高い
・高めの家賃を設定しやすい など

なお一棟マンションは「高めの家賃設定=高利回り」ではないことに注意したい。一棟マンションは、一棟アパートよりも物件価格が割高な傾向のため、高めの家賃設定にできても低利回りになることも考えられる。

アパート経営のメリットと注意点

一棟マンションと比べたときの一棟アパート経営の主なメリットは、以下の3つだ。

・物件価格が割安な傾向がある
・上記により初期費用を抑えやすい
・たくさんの候補物件から選べる(東京都の場合) など

一棟アパート経営の場合、一棟マンションよりも法定耐用年数が短いことは注意が必要だ。法定耐用年数の残存年数によって不動産投資ローンの返済期間に影響が出てくる可能性もある。

不動産投資家は一棟マンションと一棟アパートどちらを選ぶべき?

不動産投資の初心者が一棟マンションや一棟アパートの購入を検討する場合、一般的には物件価格が安く初期費用を抑えやすい一棟アパートを選んだほうが無難かもしれない。ただ本当に一棟マンションと一棟アパートどちらを選んだほうがよいかは、その人が何を重視するかによって異なる。

例えば、FIRE(経済的自立による早期リタイア)を目指すなどの理由で効率的に経営規模を拡大していきたいなら1件目から戸数の多い一棟マンションを購入する選択もあるだろう。また、対象エリアでマンションの賃貸ニーズが強いケースでは、安定経営のために一棟マンションを選ぶ考え方もある。そのため「不動産投資の初心者は一棟アパートがよい」といった一般論に流されないようにしたい。

一棟マンションと一棟アパートの違いを比較したうえで、自分にとってどちらを選ぶのがベストかを考えてみよう。

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