転職する時はチェック!お金の手続き5選
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転職する際、国民年金や健康保険などさまざまなお金の手続きが必要だ。手続きが面倒だからと放置していると、年金額が減少したり、医療費を全額自己負担しなければならなかったりしかねない。まずは転職時に必要なお金の手続きについて確認しておこう。

失業給付の概要と転職の際の手続き

失業給付とは、失業して求職活動中の人が受け取れる給付のことだ。前職で雇用保険に加入していたなど、一定の要件を満たす必要がある。受け取れる金額は、離職前半年間の平均賃金の50~80%だ。割合は賃金によって変わり、賃金が低いほど割合は高くなり、賃金が高いほど割合は低くなる。

失業給付は、会社都合退職か自己都合退職かによって、受取開始時期や給付期間が異なる。会社都合退職と自己都合退職の区別は次のとおりだ。

会社都合退職……倒産、リストラ、賃金未払い等
自己都合退職……引越し、結婚、病気、転職、懲戒解雇等

会社都合退職の場合、退職後7日後から受け取れるが、自己都合退職の場合、基本的に退職後2ヵ月と7日後から受け取れる。

また、会社都合退職の場合90~330日間給付を受け取れるが、自己都合退職の場合90~150日間給付を受け取れるなど違いがある。日数は、雇用保険の被保険者だった期間や年齢によって変わる。

失業給付を受け取れるのは、働く意志があり求職活動をしているが、就職できていないというケースだ。そのため、会社を辞めてすぐに転職した場合や、現在働いていないものの働く意志がないという場合は給付を受けることができない。

家事をする人・学業をする人・自営業をする人・アルバイト中の人などは、原則として給付を受けることはできないが、場合によっては給付を受け取れる可能性がある。そのため、もし生活資金に困っている場合は、一度ハローワークに現状を伝えてみるといいだろう。

国民年金の概要と転職の際の手続き

退職日と入社日が同日なら、特に自分で年金に関する手続きをする必要はない。しかし、退職してから転職活動をする場合などで、入社まで日数が空く場合、国民年金への切り替え手続きが必要だ。手続きは、市町村役場の窓口で行う。

会社員の場合、厚生年金に加入することになり、保険料は給与から天引きされる。しかし、自営業者や無職の人は国民年金に加入し、自分で年金を納める必要がある。そのため、転職前と転職後で期間が空く場合、厚生年金に加入していない空白期間は国民年金に加入することになる。

手続きをせず保険料を納めない状態が続くと、将来受け取れる年金額が減少する恐れがある。そのため、忘れずに手続きすることが大切だ。

健康保険の概要と転職の際の手続き

健康保険についても、国民年金と同様、退職日から入社日まで日数が空く場合は手続きが必要だ。会社員は、協会けんぽや共済組合などに加入し、保険料は給与から天引きされる。一方、自営業者や無職の場合は、国民健康保険に加入し、自分で保険料を納める必要がある。手続きは市町村役場の窓口で行う。

私たちが医療機関の窓口で医療費の3割しか負担しなくてすむのは、公的な医療保険があるからだ。国民健康保険への切り替え手続きをしないと、その間は保険証がなくなるため、医療費を全額自己負担しなければならない。そのため、退職後は速やかに手続きをする必要がある。

企業型確定拠出年金の手続き

転職前の職場で企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた場合、変更の手続きが必要になる。

転職先にも企業型確定拠出年金がある場合、転職先の制度に加入するため、年金資産の移管手続きを行う。詳しくは、転職先の企業の人事部に問い合わせるといいだろう。

転職先に企業型確定拠出年金がない場合、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)の口座を開設し、資産を移管する必要がある。手続きをしないまま6ヵ月が経過すると、企業型確定拠出年金の資金は自動的に国民年金基金連合会へと移管されてしまうため、注意が必要だ。

年末調整と確定申告の概要および転職の際の手続き

年の途中で退職し、年内に転職した場合、確定申告をする必要はない。転職前の職場から発行された源泉徴収票を、転職後の職場に提出すれば合算して年末調整をしてくれる。

しかし、年の途中で退職し、年内に転職しなかった場合、会社に在籍していないため年末調整を受けることはできない。たとえば、10月に退職し、転職先が決まらないまま翌年になった場合などだ。そんな時は、原則として自分で確定申告をする必要がある。

所得税は、すでに給与から天引きされている。そのため、確定申告をすれば、納め過ぎた所得税の還付を受けられる可能性がある。年内に転職しないという場合、忘れずに確定申告をしておきたい。確定申告手続きは、国税庁の電子申告・納税システムe-Taxを使うと便利だ。

転職した際には忘れずお金の手続きをしよう

転職の際には、何かとバタバタしてしまい、つい手続きを後回しにしてしまいがちだ。しかし、手続きが遅れることで、不都合が生じる可能性もある。転職の際にどんなお金の手続きが必要かを理解し、できるだけ速やかに手続きを終えるようにしたい。

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