富裕層が投資する金(GOLD)の魅力とは?日本の保有量は世界何位?
(画像=Asier/stock.adobe.com)

2022年にロシアによるウクライナ侵攻が起こり、有事に強いとされる金相場が大きく上昇した。注目される金(GOLD)だが、日本の金保有量は世界でどの程度の順位になるのだろうか。金に投資するメリット・デメリットや投資方法と併せて紹介する。

金が歴史的高値圏にある

金相場が歴史的な高値を付けている。田中貴金属工業の2022年4月11日9時30現在の店頭小売価格は8,604円(1グラムあたり)で史上最高値を更新した。とくにウクライナ情勢の戦闘激化によって現物資産である金の上昇ピッチが速まっている印象だ。

金相場は2021年には年間を通してほぼ6,000円台で推移していたが、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに上昇相場に入り、3月7日には8,000円台に乗せている。ウクライナ侵攻の長期化や、原油高・原材料高騰がもたらすコストプッシュインフレなど、当面は不安定な世界情勢を背景に金の高値が続きそうだ。

日本の金保有率はどれくらい?

日本の金保有率は、世界ではどれくらいの順位にあるのかチェックしておこう。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の調べによると、2020年4月末現在、世界で最も多く金を保有しているのはアメリカで保有量は8,122.46トンとなっている。これに対し、日本の金保有量は765.22トンで世界では9位にあたる。アメリカの10分の1にも満たない状況だ。

金は個人ではなく各国中央銀行による購入が中心になっている。その理由は金を外貨準備に使うためで、アメリカの金に占める外貨準備の割合は79.1%に及ぶ。日本は金よりも国債を多く保有しており、金における外貨準備割合は3.1%に過ぎない。

日本銀行の2022年4月12日現在の国債残高が526兆円に対し、金地金の残高は4,412億円と、経済規模に比して少ない水準にある。

金投資のメリット・デメリット

金投資のメリットは、不動産と同じく現物資産であることだ。株式のように投資した企業が倒産してほぼ無価値になるということがない。金や不動産のような現物資産も市況に応じて価値の上下はあるものの、倒産や上場廃止がないことから安心して投資できる対象といえる。

もうひとつのメリットとして価値が世界共通であることが挙げられる。金は紙幣のように発行主体がないため、アメリカが保有している金も、発展途上国が保有している金も市場における価値は同じなのだ。為替取引において特定の国の通貨が大暴落するように特定の国における金価格だけが暴落するようなことが金取引では起きない。

対してデメリットは金利が付かないことである。株式の場合は株価が下落していても、有配企業である限り保有していれば配当金を得ることができる。金はインカムゲインがないので、価格が上がらない限りメリットはない。

また、現物として自宅に保管する場合は盗難に遭うリスクも考慮しなければならない。貴金属店に保管してもらう場合は保管料が必要になるデメリットもある。

金の主な投資方法は?

これから金に投資したいと考える場合、どのような投資方法があるのだろうか。主な投資方法を紹介しよう。

現物投資(インゴット)

最もオーソドックスなのがインゴットと呼ばれる金の延べ棒を購入する方法である。輝きを放つ金の延べ棒は富の象徴といえる存在だ。金塊として持つのは富裕層ならではの投資方法といえるだろう。インゴットも保有量が多ければわずかな値動きでも大きな利益を得ることができるので、資金量が豊富な富裕層が投資するのも理解できる。

もちろんインゴットは多くの場合1グラムから購入できるので、富裕層以外でも投資は可能である。記事中で紹介している価格も1グラムあたりのものだ。したがって1キログラムのインゴットは価格が8,000円の場合800万円の投資資金が必要になる。1キログラム保有すると、もし金価格が9,000円になれば実に100万円の利益(手数料別)を得ることができる。

金貨

インゴットで持つのは面白くないという場合は、金貨で保有する方法もある。金貨は投資商品としてだけでなく、美術品としての魅力もあるので、鑑賞用としても楽しめるのがメリットだ。カナダ王室造幣局が発行している「メイプルリーフ金貨」は主に1オンス(31.1035グラム)から20分の1オンス(1.5551グラム)まで5種類の大きさから選ぶことができ、メイプルリーフは美しいデザインが人気である。
他にもアメリカ、イギリス、オーストリア、オーストラリア、中国、南アフリカ共和国などの造幣局もデザインが異なる独自の金貨を発行している。
また、記念金貨も購入する人が多い。皇室関連の金貨を記念のつもりで買ったら現在大きく値上がりし、結果的に投資になっていたというケースもあるだろう。コレクションとして保有しながら、価格が急騰した場合は売って利益を得るという二刀流の楽しみ方ができるのも金貨の魅力といえる。

金ETF・純金積立

東京証券取引所に上場されている「金ETF」に投資する方法もある。株式と同じように取引時間中はリアルタイムで価格が変動する。株式投資を行っている人にはわかりやすい投資方法といえるだろう。ただし、他のETFと違い分配金は支給されない。インカムゲインを期待できないのがデメリットだ。

長期で資産を築くなら「純金積立」も有効な投資方法である。金ETFのように短期売買が目的ではないため、自然と長期投資になるのがメリットだ。一部の証券会社では1,000円から積立可能で、自動積立に設定もできる。

有事に強い金を選択肢に入れておこう

昔から「有事に強い金」という格言がある。ウクライナ情勢という地政学的リスクによってその格言が実証された。金は2020年3月のコロナショックでも一時的に5,214円(田中貴金属工業小売価格)とその年の安値を付けたが、翌4月には早くも6,000円台を回復し、8月には7,063円の年初来高値まで買い進まれている。ここでもコロナという有事に強い金の特長を発揮した状態だ。
ただし、ウクライナ情勢のリスクが薄れ、金を取り巻く環境が変われば価格が下落していく可能性があることは覚えておこう。

安全に資産形成を行うには分散投資することが基本である。不動産や株式に加えて有事に強い金を資産ポートフォリオに組み入れてみるのもよいのではないだろうか。

※本記事は2022年4月12日現在の情報を基に構成しています。金価格は日々変動しますので、投資の際は最新の金価格を参考にご判断ください。

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