不動産投資で大きく儲かった、FIRE(経済的自立を果たし、早期退職すること)を達成したなどの投資家の成功談を耳にすることがある一方、空室が続いて毎月赤字が出続けている投資家の失敗談を耳にすることもあるだろう。
不動産投資家の中でも儲かる投資家と損をする投資家がいるのはなぜだろうか?両者の違いは何なのだろうか?
本記事では、不動産投資を検討している方・既に不動産投資は始めているが、今後経営規模を拡大していきたいと考えている不動産投資家に向けて、成功している不動産投資家の特徴を4つ紹介する。
勝てる投資家の違い!投資全般で儲かる人の特徴4つ
不動産投資に限らず、投資全般において勝てる人の特徴は以下の4つだろう。
- 分散投資をしている
- 長期投資をしている
- リスクシナリオを想定している
- ゴールから逆算した投資手法を選択している
分散投資をしている
分散投資とは、投資をする際に以下2つの点を意識して投資を分散することである。
- 保有資産の分散
- 投資時期の分散
保有資産の分散とは、各資産の種類(株式、債券、不動産など)やエリア(国内と海外)、通貨(日本円と外貨)などを分散して、多種多様な資産からなるポートフォリオを組むことだ。
特定の資産を集中的に保有すると、その資産を直撃するネガティブな事象が発生した際にポートフォリオに大きなダメージを受けるリスクがある。
「卵を一つのかごに盛るな」という投資格言にもあるように、性質や値動きの異なる多種多様な資産に分散投資することにより、パフォーマンスの安定化を図ることができる。
投資時期の分散とは、同じタイミングで一度に投資をするのではなく複数のタイミングに分けて投資をすることだ。投資時期を分散することで取得価格のバランスが取りやすくなるため、資産価格の下落リスクを軽減することができる。
長期投資をしている
長期投資とは、数年ないし数十年といった長期的なスパンで資産を保有する投資スタイルのことだ。
株式、FX、仮想通貨などのデイトレードやスキャルピングは短期トレードや投機とも呼ばれ、長期投資とは目的・手法が大きく異なる。
個人投資家2万5,000人超へのアンケート結果を基に日本経済新聞が分析した内容によれば、勝っている投資家の特徴の一つに長期投資派が多いという点が挙げられている。これはこれまでの市況が短期的な下落や暴落を経験しながらも数十年規模の長期間でみれば、それらの下落相場を乗り越えて右肩上がりで成長してきた。このため、投資銘柄の平均保有期間で比較をした際に、長期投資志向の投資家の方が、運用成績がよかったということを反映したものだろう。
長期投資のもう一つのメリットは複利効果を長期間得られることだ。複利効果とは、投資した元本に
生じた運用益を元本に組み込むことで、元本自体が増える効果をいう。
例えば、元本100万円を年利5%で運用すると年間5万円(100万円×5%)の利益が出て、それを再投資すると1年後の元本は105万円になる。
翌年も年利5%で運用ができたとするとその年の利益は5.25万円(105万円×5%)となり、さらにその翌年の元本は110.25万円になる。
同じ年利でも元本が増えることでそれに生じる利益の絶対額も増えるのだ。複利効果は投資期間が長いほど大きくなるため、長期投資特有のメリットといえる。
リスクシナリオを想定している
リスクシナリオとは、保有している資産の価格が下落する、インカムゲイン(配当金、利息など)が減少するといったリスクが顕在化した場合のシミュレーションのことだ。
投資前にリスクシナリオを想定しておくことで、損切りのタイミングやその場合の損失額を想定することができ、万が一の際にも客観的かつ論理的に対処できるだろう。
リスクシナリオを想定する際は、株価が◯円まで下がったら損切りするなどといったリスク顕在化時の具体的な対策や想定をしておこう。
ゴールから逆算した投資手法を選択している
投資におけるゴールとは、いつまでに、いくらの資産を築きたいか、いくらのキャッシュフローを得たいかという定量的な目標のことだ。
どの資産にどのような手法で投資するのが最も合理的かは、目指すゴールから逆算する形で導くのがいいだろう。
投資からの収益で生活費の全てを賄いたいのか、目標達成までの期間は10年後か、30年後かによって合理的な投資手法は異なる。
不動産投資で儲かる成功オーナーの特徴4つ
これらの特徴を不動産投資に置き換えた場合どうだろうか。以下の4つに置き換えられるだろう。
- 複数物件に投資している
- 年単位で投資プランを立てている
- 起こり得るリスクを理解して準備している
- 投資目的に合った物件に投資している
投資全般における成功の特徴を踏まえたうえで、不動産投資に当てはめる形で理解するといいだろう。
複数物件に投資している
分散投資の観点から、大きな物件一棟のみに投資するより小規模でも複数の物件に投資する方がリスク分散につながる。
前者の場合、その物件で事故や災害などが発生したり周辺の人口減少による賃貸需要の低下が進んだりすると、不動産ポートフォリオ全体にダメージが及ぶ。
もし、不動産投資を大規模に進めていきたいと考えている場合は複数の物件に投資することで上記のようなリスクを分散することができるため、不動産投資においても分散投資の考え方が有効といえる。
年単位で投資プランを立てている
長期投資の観点から、不動産投資においては年単位の長期的な投資プランを立てておくといいだろう。
年単位の投資プランを立てることで、物件価格および家賃の下落、数年周期で発生する費用(設備交換費や修繕費、損害保険料など)を反映した長期的な損益予想を可視化できるためだ。
損益予想を可視化することで、手元にプールしておくべきキャッシュの目安金額を計算し、突発的なコストが発生した際の準備をしておこう。
起こり得るリスクを理解して準備している
不動産投資には主に以下7つのリスク要因がある。
- 空室リスク
- 災害リスク
- 修繕リスク
- 賃料滞納リスク
- 事件、事故リスク
- 物件価格変動リスク
- 金利上昇リスク
まずはこれらの各リスクが顕在化した場合に発生するコストやキャッシュフローへの影響などをシミュレーションしておこう。
具体的には、空室率がどこまで上がったらキャッシュフローがマイナスになるか、設備交換の目安となる時期は何年後でその際のコストはどの程度かかるか、金利が何%上昇すると支払利息がいくらになるか、といったことを数字で把握しておくといいだろう。
リスクとなる要因と顕在化した際の影響を把握したうえで、毎月のキャッシュフローの一部を積み立てておこう。
災害や事件、事故に対しては、損害が起こった場合の費用が高額になりやすく、毎月のキャッシュフローからの積み立てでは不十分になる可能性があることから、損害保険などに加入しておくのも有効な手段だ。
投資目的に合った物件に投資している
不動産投資では、投資目的によって投資に適した物件が大きく異なる。
高い利回りを得たい、空室リスクを抑えて安定的に運用したい、節税をしたい、といった自身が不動産投資に求めるものや目的に合った物件に投資をしよう。
不動産投資をする目的が異なれば投資すべき物件が都心部の区分マンションか、地方の木造アパートか、新築物件か中古物件か異なってくるからだ。不動産投資における自身が設定したゴールから物件を選定することも重要だ。
成功している投資家(オーナー)から学ぼう
不動産投資で成功している投資家、それぞれ不動産投資に対する理念やどこを重視するかは異なるものの、長期的な投資プラン・複数物件への分散投資・リスクへの準備・投資目的に合った物件選びを行っている点においては共通しているのではないだろうか。お手本となるような投資家から具体的な手法を学び、実践してみるのもよいだろう。
- 【オススメ記事】
- 「FPの私ならここを見る」 プロが語る不動産投資とは?
- 不動産投資の種類はいくつある?代表的な投資方法を紹介
- 少額から始められる不動産投資4選
- 不動産投資は30代から始めるべき?メリットや注意点について解説
- 初めて不動産投資をする際に気をつけることとは?
- コラムに関する注意事項 -
本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。
外部執筆者の方に本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。
- 投資信託の注意事項 -
投資信託は、投資元本および利回りが保証された商品ではありません。また、元本割れが生じるリスクがあります。購入の際には、「投資信託の注意事項」の内容および各ファンドの「投資信託説明書(交付目論見書)」および「目論見書補完書面・重要事項」を確認のうえ、お客さま自身で投資判断を行ってください。